カタバミの復讐/山下 智道
カタバミといわれ、何を書こうかと非常に考えていた、最近はテンナンショウやカンアオイ愛がまさかの20年ぶりに再燃してしまい、カタバミは脳の隅の隅まで追いやられてしまっていた。
カタバミと言う植物は、地域性に散らばっているテンナンショウやカンアオイ類に比べ、近所をふらっと歩けばすぐに7種類近く見つける事が出来る、野草である。
オニカンアオイを見に屋久島、サンヨウアオイを見に大分県、ナンカンアオイを求めて徳島県、オクエゾサイシンを求めて北海道って感じに、俺の旅の中心にはカンアオイやテンナンショウが最近では居る。
↑(左)オッタチカタバミ(右)カタバミ
それに比べ、自宅近所の歩いてみたらすぐにアスファルトの隙間にカタバミ、ウスアカカタバミ、
アカカタバミを確認できる、細かい分類の話しは置いといて、パッと見た葉の色彩から和名が当てられたのだろう、良く見るとカタバミに比べアカカタバミは花の中心部が赤みがかる、これを発見した時非常にうっとりした事を覚えている、身近にあればあるほど細かなチャーミングポイントは見落としてしまいがち。
↑アカカタバミ
そしてちょっと話しはそれるが、今から約三年前に名古屋の大江駅にあるいかにも怪しいインドカレー屋さんの入り口で、このアカカタバミの八重咲き、ホシザキカタバミ Oxalis corniculata f. plenaを発見した、あまりの衝撃に呼吸が乱れ呼吸困難になるんじゃないかと真剣に思った。
↑八重ムラサキカタバミ
一般的なカタバミは花弁が5枚なのに対しホシザキカタバミは花弁の枚数が10枚程度の重弁咲き、もちろんおしべは退化している。また国立市で発見されたことから、クニタチカタバミという別名もある、発見事例があまりない為に植物好きな方々からは一度は自身で発見したいレア野草の一つである!
↑ホシザキカタバミ
話しは戻るが、その3種に加え園芸植物として導入しこれでもかってぐらいな勢いで広がるオオキバナカタバミ、ベニカタバミ、イモカタバミ、ムラサキカタバミ、フヨウカタバミ、シボリカタバミ等がどの地域の道端、河原、海岸、里山などで容赦なく生えている。
↑ムラサキカタバミ
↑ミヤマカタバミ
花だけ見たら確かに可愛い!美しい!それは認めてあげるがあの厚かましさ、節操のなさにはたまに呆れる事がある。しかし彼らを連れてきたのは私たちであり、その植物体をしっかり熟知して楽しんでいればきっとこんな結果には成らなかったはずだ、、、。
↑シボリカタバミ
さてさて、日々の仕事から日本各地、世界各地を行かせて頂く事が多く、日本の図鑑ではあまり紹介されていないカタバミ達に出逢ってきた。非常に面白かったのがマレーシアである、葉がアレチヌスビトハキのようで、花がピンクが日本の植物にはあまり見られない、ピーチキャンディの様なピンク。
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