22/09/21 A's happy with... #53

前回GarciaとBrideを熱く語ったらその翌日2人ともHRを打ち嬉しかったのですが、更にその記事で語っていたDiazがメジャーに昇格してきました!
22歳の誕生日から1か月、若き天才のデビューを記念するオークランド・アスレチックス観戦日記です。

天才、Jordan Díaz

メジャー昇格時、ビッグドリームを叶えたというニュアンスで彼の来歴が紹介されていました。

2018年にはリーグ平均より2.6歳若い17歳で参加したルーキーリーグで.277/.371/.390と適応。
2019年に参加したショートシーズンAクラスでは、こちらも平均より2.9歳若いながら.264/.307/.430のスラッシュラインを記録します。
2020年のマイナーリーグ中止を挟んでもその勢いは止まらず、2021年には20歳と平均より2.5歳若い身で参加したアドバンスドAクラスで.288/.337/.484と更に攻撃力を発揮。
そして21歳の今年、平均より3.2歳若いAAで.319/.361/.507、昇格して5.6歳若いAAAにおいても.348/.383/.545と支配的な打撃成績を残し、遂にメジャー行きの切符を手にしました。

2022年中のMLB Prospect Rankingではチーム8位につけている彼ですが、最初は知る人ぞ知るという感じの選手でした。
初めて同ランキングに名前が表れたのは2019年、このときはチーム26位でした。その後チームのファーム組織が急激にやせ細っていくのも手伝って2020年には11位へランクアップ。2021年末時点で18位に下がっているのは有力選手の相次ぐ放出でプロスペクトの層が一気に厚くなったためです。
ただ上述したようにとにかく若くて数字がいいわけですから、早くからファンの間では盛り上がっていたわけですよ。

この日記でも2020年シーズン後に書いたプロスペクトランキングを見る記事でロマンを語っています。

13. Jordan Diaz
三塁手、Jordan Diazの名前には妙にワクワクします。2017年、16歳でプロデビューし、その後18年にはルーキーリーグ、19年にはシングルAのショートシーズンで、リーグ平均より3歳近く若い年齢ながら上々な成績を収めました。当時はプロスペクトとして名前が挙がることもなかったため、リーグ成績だけ見て「こいつは何者なんだ!?」とワクワクしたのです。バッティング技術は「もしかしたらチーム組織全体で最高かもしれない」とまで評されていますが、守備に課題を残すと言われています。

優れたコンタクトスキルから広角に打ち分け外野手の間を抜ける打撃、若いながらも評価の高い選球眼、そこに成長したパワーもついて完成度の高い打者といえるでしょう。
長く三塁手のイメージがあったのですが、肩はあるものの集中を欠くことがあるとして一塁や外野で使われることも増えたようです。

…と書いていたのですが、二塁でスタメンになりました。今年マイナーで4試合だけやったみたいですけど…そ、そう…。二塁村田三塁古木の頃のベイスターズみたいだ…。

秋の継投

Diazを2Bスタメンに据えて挑んだSEA戦は、安打たったの1本、KempによるHRだけでOAKが勝利しました。

この試合の継投はちょうど開幕当初の勝ちパターンが全員消えた現在のOAK投手陣のわずかな上澄みというか、細い生存ルートを辿っていたので「今時点のベスト」というスナップショットとして書き残しておきたいと思います。

SP JP Sears 5回1失点

MontasのトレードでNYYから来たSearsはそのままローテに入ると好投を続けていました。
しかしここ最近の2試合では6失点・5失点と連続して打ち込まれていた…というのが今日の先発までの流れ。
今日は2回に満塁のピンチを1失点で切り抜けるとその後はスイスイ。久々の気持ち良い勝利となりました。

RP Joel Payamps 1回0失点

このPayampsは8月にKCRがウェーバーにかけたのを拾いました。
平均95マイルの速球を投げるのですが奪三振率は7に届かない程度で、打たせて取るタイプ。移籍後12イニング投げて未だ無四球です。
面白いのが、移籍後スライダーの割合を増やしているように見えること。以前までは平々凡々だったスライダーですが今年縦に大きく変化するようになっています。MollもA'sへ移籍後にスライダーを魔改造して大きく変化するようになったそれを多投してブレイクへ繋げました。Mollの方はいわゆるスイーパー、今MLBで流行りの横に大きく変化するタイプのスライダーなので変化のタイプは違うのですが、A'sが何かノウハウを持って改造を施しているのかもしれません。

RP A.J. Puk 1回0失点

Pukはこれで56試合目の登板となった中継ぎエースです。
実はまだ一度もメジャーで先発していないことを今更知って少しびっくりしました。2016年のドラ1、A'sはおろかMLB左腕全体を通じてNo.1プロスペクトだった時期もある彼ですが、紆余曲折(主にケガ)を経て27歳の今シーズンが初の開幕から閉幕までアクティブロースターにいたシーズンになりそうです。
平均97マイルの速球を、2mの長身を生かしたメジャートップクラスのエクステンションから投げ込むのですからその威力は抜群。マジで投げられさえすれば一流の投手なんだからずっと元気で投げてくれよな…。

RP Tyler Cyr 1回0失点

読み方は「シアー」だそうです。名前に母音が1文字しかないよぉ…。
こちらも8月下旬にPHIがウェーバーにかけたのを拾った投手。移籍後は結構イイ感じに投げてくれています。
彼もエクステンションがすごいらしいのですが、映像を見る限りではよくわからん…。

CL Domingo Acevedo 1回0失点

こちらは65試合目、初の本格稼働のシーズンとなりました。ただ彼に関しては去年もAAAでは支配的な成績を残していてずっと投げられる状態だっただけに、ちゃんと去年実用にこぎつけておけば終盤中継ぎ崩壊によってプレーオフを逃すことを食い止められたのではと思ってしまう…。
Acevedoに関してはシーズン中何度も崩れていきそうな雰囲気を出しながらもそのたびになんだかんだ持ち直して完走してくれましたねえ。中継ぎとしてはとても頼りになるポイントです。