22/04/05 A's happy with... #37

Chapmanをトレード

Bassitt、Olsonを相次いでトレードしてから4日後。アスレチックスはスター三塁手Chapmanをブルージェイズへトレードしました。交換相手は4人のプロスペクト。

(in) RHSP Gunnar Hoglund, SS Kevin Smith, LHSP Zach Logue, LHRP Kirby Snead
(out) 3B Matt Chapman

Chapmanのこと

Chapmanはチームの顔であり、若きリーダーであり、スターでした。
2014年ドラフト1位の生え抜き選手、5年間のメジャー在籍でGG賞を獲得することなんと3回。

25歳で初めてフルシーズン三塁のレギュラーを守った2018年にいきなりbWAR 7.6を記録しGG賞を受賞。さらにリーグのGG賞受賞者中で最も守備が優れている選手に投票されるプラチナグラブ賞も受賞。セイバーメトリクスの専門家による両リーグを通じての表彰であるフィールディング・バイブル賞も受賞。まさに超新星、これにファンが喜ぶまいことか。
翌年もbWAR 7.7。彼はまさにチームの希望であり、オークランド新時代のアイコンでした。そして何より新米ファンの僕にとってのヒーローでした。
しかしその翌年の2020年、臀部を傷めて離脱し37試合の出場にとどまり、プレーオフでプレーすることもできませんでした。またその時に崩した打撃は長く影を落とし、2021年には打撃成績が大きく低迷。GG賞には返り咲いたものの彼にとっては不本意なシーズンだったでしょう。

今回のトレードは傷ついた英雄Chapmanに対する他球団からのリアルな評価をまざまざと突きつけられたようで、辛かったですね。
正直に言うとトレードの内容に対する第一印象は「買い叩かれたなあ…」でした。

Gunnar Hoglundのこと

プロスペクトとして一番の目玉は昨年のドラ1右腕Hoglundでしょう。MLB PipelineのA'sプロスペクトランキングでは現在Max Muncy二号に次ぐ7位。
大学時代にTJ手術を受け、そのためにTORが全体19人目で指名するまで残っていたという経緯があり、まだプロ入り後は投げていません。
安定した投球フォームで制球がよく、上質な球種をいくつも持ち、まさに先発の器。非常に完成度の高い素材で、とにもかくにもTJ手術から真っ当に回復さえすれば明るい未来の開けているプロスペクトでしょう。

Kevin Smithのこと

今年25歳の内野手Smithは既に昨年メジャーで一定の出場機会を得ています。
マイナーでは主にSSで出場していましたが昨年メジャーでは3Bでの出場が主。彼を使わないといけないくらい3BがいなかったからChapmanを獲ったのであり、Chapmanが獲れたから今度はSmithが浮いたってことか。
恵まれた身体能力に裏打ちされた内野守備と野球IQの高さが売りで、レギュラーがとれなくてもユーティリティーとして十分やっていけそう。次代のPinderを見据えつつも、Chapmanが移籍して空いた三塁の最有力候補として今年の活躍を期待したいところです。

Zach Logueのこと

今年26歳の左腕Logueはプロスペクトというよりスリーパーと呼んだほうが適切かもしれません。
昨年AAAで主に先発として89.1回を投げて防御率3.32、FIP 3.56、K/BBが4.65とある程度まとまった成績を残しています。カッターの導入で右打者への武器ができたんだとか。
球速が伸びていること、チェンジアップに伸びしろがあることが言われており、もう一皮剥ければA'sの激薄1mm投手層に割って入ることもそう遠くないのかもしれません。
オープン戦で試されましたが、既にオプションされています。

Kirby Sneadのこと

最後が今年27歳の左腕Snead。マイナーでも186試合の登板は1試合を除いて全てリリーフという生粋のリリーバーです。低めのスリークォーターから投げるスライダーが武器という「いかにも」なタイプで、速球やシンカーも有効だそう。
昨年メジャーに初昇格して7試合投げており、少ないサンプルながらその成績は良好でした(7.2回、7K、2BB、1.174 WHIP、2.52 FIP)。
こんなん何人いてもいいですからね。当たればめっけもんな中継ぎ候補は大好きです。

雑感

A'sファンの悪夢Josh Donaldson、そして昨年FA移籍したSemienと、オークランドからトロントに移籍した内野のスターは一気に爆発してキャリアハイを叩き出してきた実績があります。Chapmanも当然そう期待したくなるところ。
Chapmanはどのみちどこかにトレードするしかなかった選手なのでどれだけ活躍しようと悔しさなど一切なし、完全復活して思い切りトロントで暴れてほしいですね。
SmithはOP戦に色々なポジションで出ていますが、恐らく本命は三塁で同じ右打ちのNeuseと一騎打ちになるでしょう。Lowrieもまじえて二三塁を争いつつたまにAndrusの代わりに遊撃でも出る感じかな?
このトレードの成否はHoglundがどれだけ大成するかにかかっていると思います。かつて同じことを言われていたBarrettoは結局大成しなかったので、今度こそうまくいってほしいな…。