22/03/19 【感想】氷菓(実写映画版)
友人とAmazon Primeのウォッチパーティー機能を使って実写映画版「氷菓」を観ました。
感想としては…うん…。
キャスティングを別にすると、良くも悪くも原作に忠実な実写化だったな、という印象。
原作の地の文になっているモノローグを全部読み上げているのがモッサリした印象になってしまっています。これがあるので日常の謎ってストレートなドラマ化にはあんまり向かない気がするんですよね…。中盤以降、古典部4人による推理合戦になってからは奉太郎のモノローグが減って気にならなくなってきます。
原作に忠実なのを「悪い意味」で言った理由はもうひとつあって…身もふたもないことを言うと、ぶっちゃけ原作の『氷菓』も単品ではかなり荒削りな作品なんですよね。
『氷菓』からはじまった〈古典部〉シリーズはミステリとしても青春小説としても一流の地位を要求しうるものになっていくわけですが、このデビュー作自体はその水準には達していないという認識です。なにか大きく悪いところがあるわけではないけれど、全体的にパッとしない…最近のミステリ作家のデビュー作としては珍しいタイプじゃないかしら。デビューさせたのも続編を書かせたのも角川の見る目がすごすぎる。
(ちなみにその後米澤穂信は東京創元社で《小市民シリーズ》も書き始めるわけですが、彼を創元に紹介したのは笠井潔だったそうです)
全体的に「悪くはないんだけど素材も大してよくないところを調理の仕方も素直すぎる」という評価なんですが、それでもキャストは露骨にイマイチだったかもな…。そもそも全員高校1年生をやるには年を取りすぎてると言わざるを得ないということはこの際おいておくにしても、やっぱり広瀬アリスは千反田えるをやるには都会的すぎると思うよ…。あ、でも山崎賢人の奉太郎は割と良かったと思います。
全体的に「アニメ版が良すぎた…」という感想に落ち着いてしまう、かな…。