22/08/22 A's happy with... #51


Jed Lowrieとの別れ

8月10日にJed LowrieをDFA、翌日リリースとなりました。

2008年にメジャーのキャリアをスタートさせ、15年間で3度、計7年間OAKに所属したLowrie。OAKに来て活躍してはよそへたくさんお金をもらって行き、よそでパッとしない成績を残しては安く帰ってきてくれるLowrie。7年間のOAK在籍で3回ポストシーズンに出場しているのはチームの近代史に残る大活躍と言えるでしょう。
特に3度目の所属時、34歳にしてキャリアハイの成績を残し初オールスター出場まで果たしたことはとても印象的でした。

LowrieのDFAと同時にBethancourtのトレードで獲得していた左打ちの外野手Cal StevensonとMontasのトレードで獲得していた左腕JP Searsを昇格。BlackburnがIL入りしました。後にBlackburnは診断を受けたところ右手の中指の故障で今期シャットダウンが決まりました。

Stephen Piscottyとの別れ

8月16日、Stephen Piscottyをリリースしました。

Stephen Piscottyは2017シーズン後に内野のプロスペクト2人をトレードして獲得した選手です。彼が難病ALCを患う母親と一緒に過ごせるよう古巣STLがPiscotty家近くのオークランドへ送り出した美談が話題になりました。
ちなみにそのときPiscotty以外に目をつけていたトレード候補のひとりがMarcell Ozunaで、トレード先がOAKでないと分かったときのOzunaのコメントのせいで未だに彼のことは好きになれません(気になる人は調べてみてください)。もうひとり候補だったのがChristian Yelichで、彼は翌2018年MVPに…まあこの話はやめよっか!

移籍初年度こそ27HRを打ちbWAR=2.9と活躍しましたが、度重なるケガに苦しみレギュラーとして定着したのは初年度だけでした。トレードで来て5年間在籍、Piscottyもまたコンテンド期を共に戦った思い出深い選手です。

同時にLaureanoがIL入りしました。昇格したのは右打ちの一塁手David MacKinnonと遂に登場のスーパープロスペクトShea Langeliers。

Elvis Andrusとの別れ

8月17日、Elvis Andrusをリリースしました。

正遊撃手SemienがFAで流出してしまったOAKが2021シーズン前にTEXから獲得したのがAndrusでした。Semienの代わりというよりは高給取りのKhris Davisを引き取ってもらいつつ遊撃ポジを1年間埋めるための苦肉の策という感があったトレードでしたが、その年146試合出場しチーム内で良い雰囲気も作ってくれたAndrusは崩れ行くロースターでポストシーズンを目指したチームにあって見た目の数字以上に貢献してくれたと思います。
Andrusの契約は今年2022年までなのですが、今年550打席以上立った場合2023年も1500万ドルで契約を延長できるというオプションがついており、これを避けるために最近は出場を減らしていました。仕方ないこととは理解しつつもAndrus本人がそれに不平を漏らすようなこともあって難しいシチュエーションだったのですが、結局リリースとなりました。

直後にCHWがAndrusと契約しました。
正遊撃手のTim Andersonがケガで離脱しているCHWにとって最低限の穴埋めができるAndrusをトレード期限を過ぎたこのタイミングで拾えるというのは渡りに船で、出場機会を求めるAndrus本人にとってもよかったでしょう(チームも配慮してあげたようなふしがあります)。

Andrusをリリースして空いた枠には内野手Neuseを昇格。前回降格したときにはシナシナだった打棒からHRが出たりもしましたが、まだまだかな…。

エピローグとプロローグ

コンテンド期を共に過ごしたベテランたちとの相次ぐ別れを経て、いよいよ本格的にプロスペクトたちのチームとなった感があります。なんてったって現状チーム最高給が今年限りでPinderの273万ドル。
それと同時に、既に感じていた「一つの時代の終わり」のエピローグのようなものを感じます。戦記物で大勢が決したあとダイジェスト形式でその後のできごとが描かれるような。蜀の滅亡って感じ。

しかし新たなプロローグも既にはじまっているのかもしれません。

既に今年NYYで好投していたJP SearsはOAKでも好投。
3度の先発で5.1回2失点、5回0失点、5回1失点と躍動しています。LAA戦で投げたのを見たのですが、タメのあるフォームから投球の6割で浮き上がるフォーシームを投げ打者を打ち取っていくさまが大変気持ちよかったです。

Cal Stevensonは昇格以降CFのセンターとして使われています。既に俊足を生かした守備範囲の広さを見せており、今後も期待したいところ。

MacKinnonは予想された通り左打ちで左投手が苦手なBrownと一塁のポジションを分け合い、Langeliersは正捕手Murphyと捕手/DHを分け合う形で出場しています。

Langeliersはデビュー初打席初球を叩いて初安打とすると今時点まで20打席立ってOPS 1.037と大暴れ。
次の時代のA'sは既に芽吹き始めているのかもしれません。