22/06/09 【感想】7 Days to End with You
作中の情報のほとんどが謎の言語で語られるノベルゲーム「7 Days to End with You」をプレイしました。
本作の視点人物となる主人公は、記憶がない状態で目を覚まします。
そのすぐ側には女性がいて、やがて主人公はこの女性の家で目覚めたことを知ります。主人公が言語を解さないことを知った彼女は、主人公にそれを教えようとします。
…という話なのですが!プレイヤー視点からも彼女の台詞、家の中で見つかる新聞記事やラベルなどの文字列はすべて得体の知れない記号の羅列としか見えません。
プレイヤーは彼女が主人公に語りかける言葉や、家の中の物をクリックすると彼女が言ってくれる説明などから少しずつ辞書を埋めていくことになります。
会話中でも常にアクセスできる単語帳が用意されていて、そこから単語をクリックすると「過去にその単語が出てきた台詞」をすべて思い出すことが出来ます。そのアーカイブから単語の意味を推測するのです。
そして単語帳には自分でメモを書き込むことができ、例えばある単語に「こんにちは」とメモしておくと以降はその単語が出るたびに「こんにちは」とルビが振られるようになります。
そしてメモが埋まってくると台詞の中のルビの量が増えてきて少しずつ何を言ってるか分かるようになってくるわけですね。
「言語の解読」と「物語の解読」の二層構造が密接にリンクした面白い設計で、思わず熱中しちゃいました。やっぱり語彙が増えて少しずつ読み解けるようになってくるのが楽しい。推測で埋めた単語で意味が通らなかったり、逆に意味が通ったりと一喜一憂できます。
時々自分でシチュエーションに合わせて単語帳から単語を選んで主人公に回答させるシーンがあるんですけど、そこで筋の通った単語を言うと彼女がめちゃくちゃ喜んでくれるんですよね。これがとっても嬉しい!言語の解読というパズル部分での成功がストーリー内で自然にいっぱい褒められるというのがゲームとして非常によくできています。
気になったところを挙げるとするなら探索範囲が日数の経過でほとんど広がらないところかなー。僕は1日目にしらみつぶしに調べまくって単語帳の推測も相当がんばってしまったので、2日目以降はやることがなくて時間を持て余してしまうこともしばしばでした。
それでも数時間で遊べるコンパクトなつくりがちょうどよく、魅力的なゲームでした。おすすめです。
(最初iOS/Android向けに展開されたゲームですがSteam版もリリースされています。頻繁に文字入力をすることになるためSteam版のほうがプレイしやすく、おすすめです。僕は最初iOS版を買ったのですがSteam版で買い直しました)