20/11/11 To the future A #2

A'sのプロスペクトランキング(mlb.com版)、最新版が公開されましたね。

1. A.J. Puk
2. Robert Puason
3. Tyler Soderstrom
(new!)
4. Nick Allen
5. Sheldon Neuse
6. Logan Davidson
7. Daulton Jeffries
8. Luis Barrera
9. Jonah Heim
10. Jeff Criswell (new!)

というランキングでした。
やっぱりどうしても第一感は「(以前と比べると)痩せたなあ」というものになってしまいます。これは開幕前のリストでも思ったこと。
まあここ1,2年は勝ちに行ってるのと、プロスペクトだった選手が「戦力」になってプロスペクトランキングからは卒業しているので、ある程度はしょうがないですね。

Overall valueが55はPukひとり、2位から7位が50、8位から21位が45となっています。
スケール感がわかりづらいかもしれませんが、ファーム充実度のランキングでシーズン前は30球団中14位、シーズン中頃には17位だったので、今も中の下って感じじゃあないかと思います。
ちなみにチーム内で1位のPukがメジャー全体のプロスペクトランキングだと53位です。

2019年の最終版トップ10から
・2019年1位のLuzardoがメジャー定着
・2019年3位のMurphyがメジャー定着
・2019年4位のMateoがトレード(SDP)
と抜けて、その分そのまま繰り上がった印象。

しかしもちろんそれだけではなく、今年2020年のドラフトから2人が入っています。今年3位のSoderstromと10位のCrisswellはそれぞれドラ1とドラ2です。

さて、毎回このランキングの楽しみは選手評を読むこと。
ざっくばらんに読みながら覚書を書いていきます。

1. A.J. Puk
本来なら今年プロスペクトを卒業してここにはいないはずだった男。ケガで留年となりました。依然左腕としては最高のプロスペクトと評価されており、なにげにカーブの評価が上がっています。課題だった制球に改善が見られると好意的な評価をされています。

2. Robert Puason
昨年は5位だったのが、上にいたLuzardo, Murphy, Mateoが抜けて2位に繰り上がった男。2019年に契約した後アメリカで1試合もしてないのにパワーの評価が去年の50から45に下がった男。痩せた? 運動性に優れた、身体能力の高いSSの原石です。

3. Tyler Soderstrom
今年ドラ1で獲得した左打ちの高卒捕手。洗練された打撃を高く評価される攻撃型の捕手で、運動性から三塁手や外野手としてのポテンシャルを言及されています。ということは捕手としての評価はあまり高くないというアレ。全体26人目での指名でしたが各種アマチュアレビューではそれ以上の評価を受けていました。父親はMLB経験もある投手。
A'sは彼を捕手として買っており、本人も捕手をやりたがっているとかで捕手として育成する意向だそう。

Kubota concurred, saying the A’s see Soderstrom as a catcher. “I think every scout for the Oakland A’s thinks he’s a catcher,” Kubota said. “He has a strong desire to catch, and that’s more than half the battle when you’re talking about developing a catcher. He’s athletic, he has good hands and he has an advanced knowledge of the position for his age.”

4. Nick Allen
守備だけなら既にメジャー級と評される右打ちの遊撃手。来年22歳、マイナークラスは最高でもA+の選手ですが、ETA(MLBデビュー予想年)は2021年となっています。これは現在レギュラー遊撃手のSemienがFAで出ていくとA'sのシステム内にマジでロクなショートがいないからでしょう。逆に言うとAllenにとっては絶好のチャンス。注目したい選手です。

5. Sheldon Neuse
彼もまたプロスペクトランキングでやり残したことは既にない、卒業間近の選手です。DoolittleをNATSへトレードした見返りに獲得した強肩強打の三塁手で着実にマイナーの階段を登っていたのですが、2018年にAAAでつまずきます。二刀流の噂なんて流れるほど迷走していたのですが2019年にAAAでブレークしMLBデビュー。出番を得るためにやった即席二塁手でもがんばってました。今年出番を増やすだろうと予想されていたのですが意外にもそうはならず。チームが彼をどうしたいのかイマイチつかめていません。

6. Logan Davidson
2019年のドラ1遊撃手。身体能力に優れ、脚力を生かした守備範囲と強肩は十分メジャーでショートをやれるポテンシャルを秘めています。しかし打席では長打を打てるパワーを持ちながらもアプローチに難ありとの評。彼もMLBでプレーした外野手を父に持つ二世選手です。

7. Daulton Jefferies
2016年のドラ1投手だったのですが2017年にトミー・ジョン手術を受け、投げられるようになるまでには時間を要しました。マウンドに復帰するとマイナーで好投を重ね、遂に今年メジャーで1試合スポット先発を果たしました。ただ2回5失点と苦いデビュー戦になっています。制球を非常に高く評価されており、実際マイナーの成績でも目に見えて四球が少ないです。速球のスピードも戻りハイクオリティーなチェンジアップも健在、先発としての活躍を予想されています。

8. Luis Barrera
2013年からA'sのファームにいる選手ですが、Barreraが上位プロスペクトと認識されるようになったのは2018年にAAで目覚ましい成績を挙げてからという印象です。チームはすぐに彼を40人枠に入れてプロテクトしましたが、その時は「何者!?」って感じでした。武器はなんといってもその俊足。4人目の外野手になれる可能性十分、レギュラーも狙えると評されています。

9. Jonah Heim
TBRで二塁手や三塁手を務めているWendleを出したときに交換でやってきた選手です。守備型の選手と評されていたのですが打撃にも(多少)開眼し、今年2番手捕手としてメジャーに定着しました。なんでも昔は脱力系な感じだったのが、キャンプでA's監督のMelvinにもっと闘志を前面に出してプレーするようアドバイスされ、それを実行したらブレークにつながったんだとか。このエピソードは多分来年の廣済堂出版の選手名鑑に載るので覚えておいてください。
完全に個人的な感情ですが、僕はWendleがTBRでブレークしたことがほんっとに悔しかったのでその代わりにやってきた彼が活躍するととても嬉しいです。

10. Jeff Criswell
今年大学からドラフト2位で獲得した右腕。速球と複数のハイレベルな変化球を持ち、制球が安定すればローテの中頃で投げられるようになるだろうと言われています。逆に言うと制球に改善の余地アリ。なんなら制球のせいでリリーフ向きとまで言われています。大学時代に中継ぎの経験もありますが、チームは先発として評価しているようで。彼の父親もA'sに指名されましたがAA止まりだったそうです。

11-20位につづく