22/03/20 A's happy with... #35

Bassittをトレード

エース投手Bassittの放出で怒涛のトレード週間は幕を開けました。
トレード相手はニューヨーク・メッツ。

(in) RHSP J.T. Ginn, RHSP Adam Oller
(out) RHSP Chris Bassitt

2020年と21年、BassittはA'sのエースでした。
2020年は短縮シーズンながら防御率2.29。CY賞の投票でも8位にランクインしました。
そして2021年も抜群の安定感で先発ローテーションを牽引、防御率3.15。しかし背水の陣でポストシーズンを目指す8月中頃、不運にもピッチャーライナーを顔面に受けて1ヶ月以上の戦線離脱を余儀なくされてしまいました。
エースを失ったチームはそのまま沈んでしまったのですが、復帰してからも能力は衰えておらず、ずっと誇りに思える投手でしたね。

元々ドラフトでも16巡目指名、A'sに移籍してメジャーで先発として使われるようになってからも変則投法なこともあってどこまで本物なのか中々つかみどころのない投手でした。今思うと、そこまで含めていかにもオークランド好みの投手でしたね。
ここ数年のプチ黄金期を支えたBassit・Manaea・Montasの三本柱、奇しくも皆トレードでやってきた投手たちからまず一人、トレードでチームを去ることになりました。

交換相手は2人とも右の先発投手。

J.T. Ginnは2020年のドラ2投手。今年23歳になります。
よく動く150km台の速球(高速シンカー)にスライダーとチェンジアップ、この3球種がいずれも高水準と評価されていて制球も良い、ハイレベルにまとまった投手です。大学時代にTJ手術も経験しているのですが昨年のマイナー成績を見ても制球に問題はなさそう。ただ「残機がない」ということは注意ですね。
タイプ的にはグラウンドボーラーで、AとA+で安定した好成績を収めた昨年も奪三振率は7.9。四球が少ないゴロピッチャーはいかにもA's好みなところで、お互いにとって良い出会いになるのではないでしょうか。

エリート街道を歩んできたプロスペクトであるGinnとは異なり、Adam Ollerは今年27歳の苦労人。プロスペクトに対して「スリーパー」と呼ばれるたぐいの、マイナーで埋もれていた投手です。
20位指名でプロ入りして数年投げるも放出され、拾われ、ルール5ドラフトも経験して、OAKが4球団目。去年NYMのAAAで先発として急速に頭角を現し、今回トレードのピースになりました。
こちらも90マイル台の速球とスライダー、チェンジアップが有用な持ち玉かつ十分な制球をもって勝負するタイプ。ストライクゾーンにどんどん投げ込んでいくスタイルも合わせて「実戦的」な投手で、こちらもA's好み。
今後もう2人昨年のローテ投手を放出する予定がある今年のA'sはローテがガラガラになるので、昨年のAAAでの活躍を継続できれば今年中にメジャーで先発する機会もありそうです。
個人的にフォームが結構好き。

Bassittは見事地区優勝球団のエースへと成長し、メジャー屈指の先発投手が並ぶメッツへと栄転しました。
Bassittは元々Jeff Samardzijaをトレードした見返りに獲得したプロスペクトで、そのSamardzijaはDan Strailyをトレードして得た選手。奇しくも右の先発投手の系譜が続いていたんですね。
BassittがつないでくれたA'sの長い夢を、GinnとOllerはきっとつないでくれるだろうと期待してしまいます。