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漢字ノート其の十二『綾』
綾
リョウ、リン
あや
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綾織り(アヤオリ)
綾取り(アヤトリ)
綾錦(アヤニシキ)
綾羅(リョウラ)
綾羅錦繡(リョウラキンシュウ)
綾子(リンズ)
緻密な綾織り
糸が交わり、織り込まれていく過程では、見えない部分にこそその本質があります。
触れるとしなやかでありながら、どこか強さをも感じさせる。まるで、揺らぎながらも折れることなく進む人生のようです。
また、「綾」という存在は、その形や模様が固定されたものではなく、光の当たり方や見る角度によって印象を変えます。
これは、人が持つ多面性や、そのときどきの状況によって異なる表情を見せる心の在り方と重なります。
縫い目と綻び
綻びが生じることもあるでしょう。
その綻びは傷ではなく、新たな模様が生まれる入口です。
過去の織り目と未来の糸が出会い、まだ見ぬ景色を描き出します。繕うことで、綻びが意味を持ち、より深みのある布が完成するのです。
完全でも単純でもない。
むしろ、その不完全さがもたらす余白の中に、無限の物語が潜んでいるのです。静かに、しかし確かに、織り重ねられていくその姿は、どこか懐かしさと希望を同時に感じさせる存在。
見る者、触れる者の心に、揺るぎない物語を残します。
漢字を通したボクなりの見解
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