ガチ から ゴス へ④エントロピーの法則
人間は生まれた瞬間から成長して、老化していく。若返ることはないが、うまい年の取り方を考えたうえで、リセットをかける必要がある。
この本の冒頭ではそう書かれている。
「完成されるまでの不可逆プロセス」が「成長」であるのに対し、「老化」とは、「完成後の不可逆プロセス」。不可逆とは後戻りしないプロセスである。
会社の場合、以下のような劣化する現象が起こるという
・ルールや規則の増加
・部門や階層の増殖
・外注化による空洞化
・過剰品質化
・手段の目的化
・顧客意識の希薄化と社内志向化
・「社内政治家」の増殖
・人材の均質化・凡庸化
止められない「老化」へのどのように対処したら良いか?
3つのアプローチを挙げている
①運命として受け入れる
必要な抵抗はしても、無駄な抵抗をしない
②老化をリセットする
老化が進むのは、同じパラダイムの組織が生き続けている場合だけなので、「世代交代」、つまり、基本的なものの考え方や価値観、つまりパラダイムを転換する。
④「眠れるイノベーター」を活用する
老化した組織ではイノベーターは活躍できない(イノベーションについては別の機会に触れたいと思う)
自然法則の中で「不可逆性」を説明しているのが熱力学の第二法則、
一般に「エントロピー増大の法則」といわれている。
ある閉じた世界の乱雑性は、時間とともに必ず増大していく。
熱力学でエントロピーというと、外部とエネルギーや物質の出入りがない状態(孤立系)での乱雑さの度合いを指していて、「成果につながらないエネルギー」とも定義できる。秩序を乱すのである。
何が言いたいかというと、80年代にロックにせよ、お笑いにせよ、誕生とともに不可逆的に進行していくプロセスにおいて、「成長」により完成し、完成後に「老化」のフェーズに入っていた。そして、かつてのアイデアやアプローチの集大成=資産がむしろ負債となって、劣化していたところに、世代交代、あるいは、イノベーションが起こったと考えられる。
次は、イノベーションについて、さらに、NWOBHM(New Wave of British Heavy Metal Movement)イノベーションについて触れたいと思う。
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