遺産相続に思う
父親が亡くなって、遺産相続のことは知っているものの、あまり具体的な進展はない。実際に私は実家から離れて暮らしているので、具体的な作業をしにくい環境にある。
5年くらいは実家に行っていなかった。一番の理由、というか唯一かもしれない理由は、実家が汚いから。ほとんど自覚がないようだけど、ゴミ屋敷に近い。最近では、生活空間がとても狭くなっていた。
父親が病気で死にそうになっても、オンラインでいいんじゃない?と思っていた。実際、それがうまくいくならそれで良いと思う。それくらい気軽にやり取りできたほうが良い。一応、病院内は撮影禁止だった。遠いから滅多に会えず電話や手紙がほとんど、というよりもビデオ通話が良い。十分できる環境があるのにやらないだけだ。
亡くなる3週間ほど前から、毎週面会に行った。最初はうちの家族で。2回目は自分だけ。3回目は面会の翌日に亡くなった。
2回目の面会までは会話ができた。そのとき、父は遺産の話をした。遺産相続について、なんだか生々しいイメージを持っていた私は、実家に住んでいる人がそのまま受ければ良い、と考えていた。しかし、父はそうではなかった。富豪のような財産ではないけど、父が作り上げた、というか残ったり、前の人から相続した、引き継いだ資産を、残った人に引き継ぎたい、そういう思いを感じた。うまく相続できれば自分が死んだ後も、自分のやってきたことは残って受け継がれていく。そういう思いを感じた。
良い話っぽい感じだけど、実際はそうでもない。実家に残っている妻と、未婚の子供(もうかなりの大人だけど)は、将来もあてにならないから、私の子供(父の孫)に相続してほしい、とか言い出した。まあ、今のまま進めば、母も子供たちも亡くなるので、年齢的にはうちの子が相続人になる。この時点で自分の子供たちを見限っていたんだよね。現実を見たら、納得するところではあるが。。。
3回目の面会は話すことができなくなっていて、こちらから話しかけたり、写真を見せたり、うちの家族に動画を送ってもらって見せたり。翌日の午前中に亡くなりました。
それから葬儀をやったりしていて、この実家に残った人たちのはちゃめちゃぶりを見ていて、これは遺産を任せたくなかったのだろうか?と正直に思った。見捨てようとは思っていないだろうけど。私はあの人たちも生活を立て直して欲しいと思って、アレコレやるものの、急に変われるものでもないみたい。
そんな状況を見ているうちに、遺産を相続するってことが、自分のやってきたことを引き継いで欲しい、みたいに感じた。だから、金額の問題ではなく、きちんと相続していこうと考えている。