ザ・プラターズの来日公演に行ったのは 25年くらい前の6月。 場所は新宿厚生年金会館。確か小雨の降る夜だったと思う。 空気がしっとりするこの時期になると、 私は決まってあのコンサートの事を思い出す。 白いスーツ姿で歌われたヒットナンバーの数々。 < Smoke Gets In Your Eyes > や < Twilight Time > 、 < Red Sails In The Sunset > 、 < The Great Pretender > etc..。 勿体つける
毎週土曜の夜、テレビの洋画劇場を楽しみにしていた少女時代。 初めて [ 慕情 ] を観たのは、12歳の時だった。 あの頃は、私も大人になったらジェニファー・ジョーンズのように チャイナドレスを素敵に着こなすエレガントな女性になれるんだと なぜか普通に信じ込んでいた。 まだ 赤いランドセル背負ってたくせして(笑)。 朝からどしゃ降りの休日。久々に [ 慕情 ] を観た。 そして また一緒に泣いてしまった。 突然だけど、「 愛って想像力 」 だと私は思う。 繰り返し観ている映画
先週末はこの辺りの夏祭りで 昼夜問わず賑やかだった。 私が朝の珈琲を淹れる頃には もう御神輿が出ていて 『 わっしょいわっしょい! 』 の声。 外を見なくても、その掛け声の可愛さでそれが子供神輿だと分かる。 『 はい、それでは1本締めいきま~す。 よ~お パンパンパンッ パンパンパンッ パンパンパン パンッ! お疲れさまでした ~ !! 』 パチパチパチ 隣の公園が最終地点らしい。 毎年8月末にコレが聞こえてくると夏の終わりを感じる。 その夜は駅前を通行止めにして町
立春の朝4時。窓から大きく身を乗り出し 白い息を吐きながら オリオン座に向かって呟いた。 「 おはよう。 」 最も寒いこの時季は、最も空が美しいシーズンでもある。 大気は澄み渡り、星の輪郭までもがくっきりと見えるほど。 冬空の美しさは 寒さがもたらす最高の贈り物である事に気付かされる。 その冴えざえと輝く星を見つめている間、 耳の奥で流れていたのは 映画 【 風と共に去りぬ 】の為に作曲された < タラのテーマ > だった。 なのでその日は久々にDVDで堪能。 これぞ映画
美容師だった母が亡くなって19回目の夏が来た。 お洒落で賑やかなお祭り事が大好きだった母。 博多の山笠、京の祇園祭り、青森のねぷたや隅田川の花火大会。 癌を患ってからもテレビ中継を見ては、流行りの着物や髪形をチェックするプロ意識の高い人だった。 「 女はいつもきれいでいないとね。 蝶よ花よと育てられたんだから 期待に応える努力をしなくちゃ! それが周りに対する礼儀ってもんです。」 と 入院先のベッドの上でも頭にカーラー巻き付けて よくこんな話をしていた。 つまり