君はメルカリボックスというロスト・レジェンドのインターネットを知っているか
メルカリ。
本邦におけるインターネット界の西成地区と呼ばれることがある。
転売ヤーとか、執拗な値下げコ〇キとか、現金出品だとかまあ確かに西成的なバイブスは感じるインターネットではある。(西成行ったことないけど、イメージでね)
そうはいっても私がメルカリの売買でエンカする取引相手の大半はまともだ。
むしろ法人じゃなく個人で出品やってるのに発送の包装綺麗すぎない?
こんなやっすい300円の本買っただけでメッセージカードまでつけてもらって恐縮ですみたいな。(この手の出品者は推定20代~30代の女性に多い、尊敬します)
だけど、メルカリのディープなアンダーグラウンドとは実はメルカリの出品欄ではないのだ。
じゃあそれはどこか。
メルカリの地下世界、メルカリボックスである
メルカリボックスとは何か。
かつて存在したメルカリ利用全般に関する質問箱、
Q&Aサイトのようなものである。
かつて、と称したのは今はもう、ないからだ。
え、何故フリマアプリの質問サイトのような有用なサイトが無くなるのか?
というあなたの疑問点の答えがこのnoteを読み進めていくうちに早晩わかるはずだ。
私とメルカリボックスとの邂逅、ファーストコンタクトについて語っていく。
5年ほど前だろうか、当時出品者としてのメルカリ利用が初めてだった私は、発送もろもろの手続きなどがよくわからず、また早く回答が欲しかったためヤフー知恵袋とメルカリボックスに同じ質問をした。
ヤフー知恵袋からの通知が即来て、カテゴリマスターっぽい回答者が丁寧に手続き方法に関してくれたおかげですぐ解決した。
「あーよかった。ほんなら発送するかー。」
と思っていた矢先である
スマホの通知が止まらないのだ。
は???
え????俺チャイナの詐欺サイトにでも引っかかったか?
でも俺最近スマホで中華サイト経由のAVなんか見てねえぞ!?
マジで通知がマシンガンなのだ。
昔付き合っていたボーダーメンヘラリスカ癖の彼女でもこんなに通知はよこしてこなかった。
恐る恐る通知を見る。
メルカリからだった。
それもメルカリボックス。
「あなたの句読点の使い方がおかしいです、まず日本語を勉強してください」
「あなたのホームまで飛んで他の出品物を見ましたがメンズものを間違えてレディース設定にしています。それを訂正してから出品してください」
「まずここで出品する前にガイドラインをよく読んでください。それとあなたの○○の出品に関してですが、関係ないタグを多用するのは規約違反です。通報しました」
これは・・・西成どころかギャングスタの聖地アメリカのコンプトンに来てしまったのか俺は・・・・・との念がよぎった。
しばらくしたら一斉銃撃の通知が鳴りやんだ。
ギャングスタおばさんたちは次のビーフ相手を見つけたようで、
新しい質問者が質問するたびに片っ端から重箱の隅をつつく粗探しをする徹底したサグっぷりだった。
今まであまり感じたことのない感情を感じたので、
その後もちょいちょいメルカリボックスの質問一覧をチェックしていた時のこと
質問者「私の親族に不幸があり、その影響で数日自宅を空けないといけないので期日内に購入者に商品の発送ができません。その際に運営と購入者になんて連絡すればよろしいでしょうか?」
メルカリボックス回答者「個人的な私情を商品取引に挟まないでください。期日内にしっかり取引をして購入者を第一に考えるのがマナーです。」
「あ、このおばさんたちガチでアレな人たちだわ・・・(こめかみのところで人差し指をクルクルさせるポーズ)」と思ってそっとメルカリのアプリを閉じた。
多分あのおばさんたちは一昔前の怒れるヤフオクおじさんたちのオバサン版なんだな、と思い妙に腑に落ちた。
「怒りポルノ」
「説教正論ポルノ」
あーこれだわ・・・
ところでなぜ回答者たちがオバサンたちと分かったかというとハンドルネーム、出品物、ホームのプロフからモロだったからである。
ちょっと笑ったのが、回答者の中でもめちゃくちゃブチ切れてるオバサンの出品物をちょっとした好奇心で覗いてみたら、
「運命の人と出会う スピリチュアルな生き方」
的な本を出品していたのがちょっと個人的にヒットだった。
その後メルカリボックスはどうなったか
2年ほど前だろうか、そういえばメルカリボックスのあのサグいオバサンたちはまだハスリングしてるかなと思ってふとメルカリを開くと
なんと閉鎖していた!!!!!
ネットでググると、メルカリボックス、相当な悪評だらけだった。
案の定・・・
メルカリ上層部、超英断すぎる。
さすが日本で一番のユニコーンなだけあって不穏分子が集まるゲットーのジェントリフィケーション対応がめちゃはやい。
メルカリ、まとも。
だけど全くまともじゃない自分はたまにメルカリボックスのサグいおばさんたちのことを今でもたまに思い出す。
彼女たちはあの膨大な粗探し欲とイビリ欲を今どう持て余しているのだろう。
それがちょっと気になるし、別にどうでもいい気もする。
おわり