意味は、言語の外側にある

『生きる意味とは何か』

人間なら一度は疑問に思う。
そして私はその最中にいる。

すでにこの疑問に対する解釈は無数にある。
ので、私ごときがいちいち悩む必要はない。

と、理屈ではわかるがここで納得できない。

本当にスマートな奴らはこれらに言及しない。
馬鹿な私は黙れず、気付けば友達は少ない。

そんな私に良くしてくれる先生が言う。
『夢中と没頭が大事』と。。。

坂道で遊ぶ三人の子供。
それぞれ別のスケボーで順位を競っている。

滑っては戻り滑っては戻り。。。
やがて負けっぱなしの子が主張する。

『お前のスケボーの方が早い!』

機体をジャンケンで決めるルールを追加し、
滑っては戻り滑っては戻り。。。

その様に意味はなかったが眩しく映る。
私にもかつて存在した『夢中と没頭』
彼らはその最中にいる。

暫く眺めているとバンドの音が聞こえてくる。
いや、ずっと鳴っていたのだが
このバンドの音だけは私の耳によく聞こえた。
今日はこの公園で無料フェスが開催中らしい。

音の主は、ゴキゲンなロックジジイ。
上裸でギターを弾きながらしゃがれた声でロックしている。
リズムを刻むくねらせた足元には缶ビールが転がっている。

恥ずかしげもなく、愛を歌う。
彼の音には嘘がない気がして、
気付けば私の目は潤んでいた。
彼もきっと、『夢中と没頭』なのだろう。

ここで不思議なのが、
この涙を説明できないところだ。

端的に言えば、『感動した』ってことだろう。

感動した

感動した

うん。

私は感動して、その一瞬、
生きてることを忘れた。





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