短歌「日向への旅」/香雪蘭
ヒュー!日向 マッチング短歌 という企画で佳作を頂き、宮崎県日向市での観光旅行と交流会に招待して頂いた。この旅で詠んだ歌をまとめておこうと思う。ちなみに……Twitterで「#ヒュー日向ヒュー短歌」を検索すると、旅のお仲間たちが詠んだすてきな短歌が出てきます。
雪なかの街の光が線になる様を横目に「ルージュの伝言」
牧水の旅が僕らの旅になるそしていつかはあなたの旅に
早春の天敵スギの花粉さえ今日は許せる遠足のバス
三度目の宮崎県はまるい山まろい海色こころもまーるく
アン・ロマンチック協会理事たちが視察をしてはただ帰る
セブンティーンアイスがあればそこは夏そこは地元と言ってもいい
生き方のモデルは海と言いたくてただ眺めているただ眺めている
白鳥は楽しげに飛ぶたくさんの仲間引き連れ青を反射し
楽しげな声を漏れ聞きひとり行く飲み屋帰りの足は朗らか
旅人はこのふるさとの幼き日水辺で遊ぶ我を幻視す
一瞬の奇跡 数多の光線がここで交わり通り過ぎゆく
シーグラス探しをすればマッチングしないカケラの哀しさ思う
母からのお土産クエスト完了し二倍になった荷物を抱(いだ)く
どれほど遠くまで行けば旅と言えるか考え歩けばもう家
また、今回マッチングしたお相手である「コピラのたまご」さんへ返歌も詠んでみたのでまとめます。
実る恋も実らぬ恋も種にして ひとは歌詠む牧水もそう
→種を蒔き水を絶やさぬ牧場(まきば)にて新たな風がまぶたを撫でる(香雪蘭)
便箋を選ぼう 開けた小窓から飛んでく俺の憂鬱のため(香雪蘭)
→憂鬱を乗せるに似合う灰色のグラデーションで飛行機を折る
→→何度でも素直になろう風信じ紙飛行機をあなたに飛ばす(香雪蘭)