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ごはんについて書くための習作74

音楽が常に流れている。YouTubeを見たときに音楽を止めた。そのまま仕事をしていたら、半分開いたブラインドの向こうの雨音が弱まるのがわかったので、11時40分。少し早いが昼ごはんに出る。昨日と同じハーフパンツにサンダル。同じ、と言ってもハーフパンツという形が同じというだけで、同じハーフパンツを履いてるわけではない。

燃えるごみの回収はまだ。週末に友人が家にくるので、アパートの共有部、階段などの掃き掃除をした。そのゴミも回収されていない。弱まったように思った雨は、折り畳み傘だと肘くらいから濡れるくらいには降っている。普通に降っていた。体が大きいが、大きな傘は持たない。東京に住んで仕事していたときに、狭い歩道で大きな傘を持った人を見るのが苦手だった。

今日は午前中に新しいウェブサイトのデザイン案を共有して、あとは夕方打ち合わせがあるだけ。雨の日はビール。少し離れた蕎麦屋に行こうかと思ったが、信号待ちの間に雨が強くなってきた。水平に切られた木の断面、直径5センチくらいのところに鳥のフンがピタリと落ちている。近くの牛タン屋に変更。お腹も空いているので、肉。

時間が早い、雨、牛タン値上げの三拍子、まだ誰もいない。調理場の前にカウンター数席、背にテーブルが4つ。一番入り口側のカウンター、焼き場の前に座るのが定位置。焼き場とカウンターの間にはガラスがはめてある。ガラス越し、「最近(釣りに)行ってる?」と聞かれるから、川には行ったが海はあんまりと答える。少し声を張り気味で。今やってる「ペルソナ3 リロード」の主人公が「あんまり」って言いそうだなと思う。
牛タン鶏もも定食(2,700円)とビールを注文。まあ、平日ランチには上等ですね。大学のときよく行った渋谷のねぎしの値段も調べる。2,500円くらいするのか、今。ビールは瓶。ヘイジーIPA。ラジオが「正午をお知らせします」。久々に「正午」という言葉を聞いたなと思っていると、番組のパーソナリティがEDM的なBGMにのせて12時になりました、と言う。EDM的なBGMはB'zのイントロだった。

ねぎしのメニュー写真より、分厚く、量も多い牛タンが運ばれてくる。添えられているとうがらしを漬け込んだ味噌、少し前から辛味がまろやかなになった気がしている。鶏のモモ焼きには、テーブルにあるスパイスを。今日の本は保坂和志の『この人の閾』(「いき」の字を検索して、これが芥川賞を受賞してることを今、知る)。小田原が舞台。主人公が年賀状に「働くことに思想はいらない。思想がなければ怠けられない」と書いてたという話。そうだそうだと同意。瓶に少し残っていたビールを注ぎ切る。ヘイジーIPAは底に澱が溜まっているので、グラスに半分以上ビールが残った状態で注ぎ、混ぜるイメージ。
会計。POSシステムをスクエアに切り替えを検討しているという話を聞く。決済手数料が安くなるらしく、釣り仲間の店が最近切り替えたそう。雨はまだ降っている。家と牛タン屋のちょうど中間くらいに、新しいマンションが大体できていた。元は鯉のぼりや五月人形なんかも置いてた古い玩具屋。なんとも特徴のない外観を見上げながら歩く。歯の隙間から黒胡椒が出てきた。

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