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ごはんについて書くための習作73

ズボンが濡れると洗濯しないといけないが、足が濡れる分には拭けばいい。昼ごはんを食べに行こうかと思っている間に雨。やや強い雨。外に出る時は何となくハーフパンツから長ズボンに履き替えるが、今日はそのまま。裸足にKEENのNEWPORT。コーヒーを淹れてから書こうと思っていたのを思い出して、一旦、ここでアイスコーヒーを作る。

左膝がチクリと痛む。ビール飲み過ぎだろうか。まあ、こんなものだろうと、そのまま歩く。ウェストポーチのファスナー(の持つところ)同士がぶつかって、熊よけの鈴のよう。今週、月曜日に山梨の川で釣りをして帰りの山道で熊の足跡を見た。去年、武田君と行った時には熊の糞があったが、その場所よりもずっと手前で少し驚いた。糞を見たのは去年だよな、と写真を見返すも、魚の写真しかなくて、誰といつ行ったか分からず。そして、釣れた魚の写真も少ないので、やはりあの川は厳しい。

雨なので、あまり店選びに悩むのもな、と、いつもの商店街へ向かう。ビリヤニでも食べようかと思ったが、店が地下なので、こう、しけってると臭そうなのでやめる。そのままいつもの町中華の方へ。この日記で何度も書いたせいで「足繁く通っている」とTwitterで安藤君に言われたことを思い出し、少しでも混んでいたら、焼き鳥屋のモツ煮込み定食にしようと考えていたが、店は少しも混んでいなかった。

少しでも変化をつけようと、一度も頼んだことのないランチ、日替わりか週替わりの定食(今日は五目うまに(八宝菜))をオーダー。少しも混んでない店内は単身の男性客が3人。入り口一番手前の席に座った私に背を向けるかたち。歯医者の待合室のよう。BGMは聞いたことある曲の女性カバー。聞いたことあることが気になって歌詞で検索。「何年経っても怒り出してしまうような」で検索しようとすると、「何年経っても」とテキストフィールドに打ったところで、「何年経っても思い出してしまうな 歌詞」とサジェストされ、もとの曲はフジファブリックだと分かる。
スマホを置いて、ウェストポーチから本を取り出す。財布には月曜日に山梨のセブンイレブンのATMから出てきた新一万円札が入っている。息子に見せたら、外で人に会うたび、その人に新一万円札を見せろと言うのでうるさい。

五目うまに定食が運ばれてくる。うまにの粘り気も、添えられたスープの表面を覆う油も見るからに熱い。一旦、シュウマイと肉団子を食べる。それぞれひとつづつ小さな皿に置かれていた。うまにのキャベツをかじるが、やはり熱い。本を片手に、うまにの具を混ぜながら冷ます。一目見て、5目ではない、それ以上だとは思ったが、混ぜながら改めて確認する。牡蠣(1つかと思ったらこの後、もう1つ入っていて驚く)、キャベツ、人参、銀杏、ウズラの卵、豚肉、キノコが3種……。9目。「五目」には沢山とか何でもという意味でも使われると思うが(五目釣りなんかもそう)、それを超える品目数。
冷めてきた。左手の本をご飯茶碗に持ち替える。ご飯の上に銀杏を置いて、その大きさを知る。数も多い。さらに食べ進めると新たな具材。キノコがもう1種(フクロダケ)、エビ、ナス、ニラ、ソーセージとハム。15目。ふむ。そして、じんわりと奥から生姜の香り。冷めてきたからか、香りが立つ。

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