【ち○ちんの手術をした。】#5 〜手術・前編〜
手術への迷いは、ある出来事により払拭されたのですが、それはまた番外編として書きます。
決心が固まった僕は、ついに”ちんちんの手術”との戦いに挑みます。
初診から一週間。手術当日。
日暮里に向かう電車の中、ちんちんにある謎の塊と過ごした21年間に思いを馳せようと思ったが、不安が押し寄せてくるだけだったので直ぐやめた。
駅に到着するも時間がギリギリだったので、足早に病院へと向かう。
途中、《ちんちんを除菌シートで拭いていない》という重大インシデントに気付き、病院の近くのコンビニのトイレに駆け込み、ひと拭き。
あわや大惨事というところだった。
全ての準備は整った。
泌尿器科に到着し、扉の前で深く息を吸いゆっくりと吐き出す。
扉を開ける。
「佐伯さんお待ちしてました。診察室にどうぞ。」
「はい。.....(ガチャッ)よろしくお願いします。」
「じゃあ、そこに座って、ズボンを下ろしてください」
「はい。」
診察台の端に腰掛けて、ズボンを下ろす。
前回の失敗を踏まえて、スネくらいまで一気に下ろす。
「膝までで大丈夫ですよ。」
ズボンを少し上げる。
「カルテ用に写真を撮りますね。」
「あ、はい。」
黒の手帳型のカバーを付けた”先生のめちゃくちゃプライベートのスマホ”で写真を撮られた。
別にぜんぜんいいのだが、
カバー無しで無機質な”カルテ専用のスマホ”の方が良かった。
”先生のめちゃくちゃプライベートのスマホ”は恥ずかしさを何倍にも膨れ上がらせる。
シャツの裾を少し上にまくる。
ちんちんしか撮影してないのに、先生がシャッターを押す瞬間、無意識にカメラから顔をそむけてしまった。
俯瞰で見る僕の姿は、素人投稿エロ写真の撮影風景だった。
カルテ用なので、僕のちんちんは結構近くで撮影された。(拙者のちんちんの接写)
撮影した写真は、すぐに診察室のパソコン画面に反映される。
この写真は、ちんちんの謎の塊の遺影だ。
21年間一緒に生きてきた謎の塊との最後の別れ。
写真のちんちんの謎の塊はどこか微笑んでいるように見えなくもないし、僕の頬を涙がつたっていくような気がしなくもない。
「じゃあ、ズボンとパンツを脱いで、診察台に寝て下さい。」
「はい。」
診察台に仰向けに寝て診察室を見渡すと、今までとはまた違った印象を受けた。
『物が少ない感じとか、部屋がコンパクトな感じとか、やっぱり撮影用のセットみたいだなぁ。
あれ?なんかこの感じ、どっかで見たことあるなぁ....。
セットみたいな診察室の中の診察台に寝てて下半身があらわになってるこの感じ、既視感が凄いなぁ...。
.......なんだっけ??
......あっ!AVだ!!AV!!AVで、病院の診察台に寝かされて色々なエッチな事をされるシチュエーションのときの、男性の主観映像と一緒だ!!!
あーーっ、そうだそうだ!!
スッキリした!よかったよかった!
.....あれ?
今、俺、AVのこと考えたか?
.....あっ、これ、やばくないか!?
今から先生にちんちん触られるけど、AVの事考えてたのと触られた刺激とが相まって、まかり間違ってちんちんが勃っちゃったりなんてしたら.....俺.......終わりだぞ........
どうしよ!!!やばっ!!!!
勃っちゃダメだ、
勃っちゃダメだ、
勃っちゃダメだ、
勃っちゃダメだ、
勃っちゃダメだ。
何も考えるな!!俺っ!!!
AVのこと考えるな!!!!俺っ!!!!!』
考えないように考えないようにとすればするほど、今まで見てきた病院もののAVのワンシーン達が走馬灯のように頭の中を駆け巡る。
診察台に横になっている自分の周りで作業をする看護師さんにふと目をやると、ぽっちゃりで爆乳の看護師さんのパンツがチラチラと見えちゃうシーン。
診察台で横になっている状態で触診をしてくれるけど、ぽっちゃりで爆乳の看護師さんのおっぱいが自分に当たっちゃうシーン。
診察台で横になっていてカーテンの向こう側にお医者さんがいるのに、ぽっちゃりで爆乳の看護師さんにエッチなことをされちゃうシーン。
『集中だ!!集中っ!!!
真っ暗な部屋を想像しろ。
何もない真っ暗な部屋だ。
お前はそこにいる。
そこには何も存在しない。
”無”のみ。
ふぅーーーっ.....
無だ。
ふぅーーーっ...
そうだ。
大丈夫。
お前なら出来る...。
そうだ....。
よし.....。
...............』
僕は、無の境地に達することで危機を乗り切った。
先生は着々と手術の準備を進めていった。
あらわになった下半身に90cm×90cmくらいの大きさの緑色の布がかけられる。
その布の真ん中には直径5cmくらいの穴が空いていた。
『ちょうどちんちんを出せるくらいの穴だなぁ〜』と思っていたら、ちんちんが先生によって穴を通らさせられて、緑の布からひょっこりと顔を出した。
可愛く言うと《チンアナゴ》みたいな状態。
可愛くなく言うと《彼氏のちんちんを当てるAV》みたいな状態。
『この状態で緑の布の部分をグリーンバックみたいに使って映像を合成して、ちんちんが世界中のいろんな場所に行く映像が撮れるなぁ』
なんて思っていたのも束の間、
銀色の医療器具たちが視界に入ったせいで、手術に対する恐怖が一気に湧き上がってきた。
体中が緊張状態になった。
先生はまず、ちんちんの消毒をした。
僕は目を瞑った。