やさしいズ佐伯

やさしいズ佐伯元輝です。

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最近の記事

【ち○ちんの手術をした。】#10[最終話] 〜僕は元気です〜

二度目の縫合から一週間経ち、 二度目の抜糸の日。 この日が、病院に行った最後の日だった。 診察室でズボンを下ろしてちんちんを出すまでは、先週の再放送だった。 先生がちんちんの傷口を縫った糸を切るための小さなハサミを手に持った。 僕は自分の股間のあたりを見ていた。 先生の左手にちんちん、右手にハサミ。 〔 ちんちん + ハサミ = 恐怖 〕 少しでも体が動いたら大変なことになるんじゃないかという恐怖で眼球すら動かすことが出来なくなった。 ちんちんから目が離せない

    • 【ち○ちんの手術をした。】#9 〜手負いのR-1〜

      賞レースの楽屋は独特の空気に包まれている。 そこにいる全員から緊張感が漂っている。 僕だけは違った。 ついさっきちんちんを6針縫った男に、怖いものなどあるはずがない。 自信、覇気、生命力、オーラ、エナジー、全てが溢れ出していた。 早々に着替えを済ませ、自分の出番が来るのをどっしりと構えて待つ。 「やさしいズ佐伯さん、スタンバイお願いします。」というスタッフさんの声を聞き、僕は列に並ぶ。 芸人がネタを終えるにつれて、どんどんと前へ。 いよいよ次が自分の出番という

      • 【ち○ちんの手術をした。】#8 〜悲劇〜

        「.....あれっ?」 抜糸を目前にした僕のちんちんを見た先生の、第一声だった。 窓から差し込む太陽の光で朝が来たことを知る。 ブラックのコーヒーで眠気を覚まし、新聞の経済面に視線を落とす。 朝食のトーストとベーコンエッグを口へと運ぶ。 夜のうちにかいた汗をシャワーで洗い流し、身体に付いた水滴を真っ白なバスタオルで拭ったら、ちんちんの傷口に優しく軟膏を塗る。 包帯を外した僕の、モーニングルーティン。 『今日の抜糸が終われば、あの泌尿器科へ行くこともないのか。』

        • 【ち○ちんの手術をした。】#7 〜異変〜

          手術を終え、病院の近くの薬局で鎮痛剤と抗生物質を受け取る。 先生から「鎮痛剤のロキソニンを処方しておくので、もし痛みが出たら飲んで下さい。」と言われていた。 出されたロキソニンは3錠だった。 皆さんは《三枚のおふだ》という昔話をご存知だろうか? お寺の小僧が和尚に「山に栗拾いに行きたい」と言うが、その山は夜になると鬼婆が出る。 和尚は『鬼婆に会ってしまった時のために』と、”願いをかけると助けてくれる三枚のおふだ”を小僧に渡す。 山で鬼婆に会ってしまった小僧は、そのおふ

          【ち○ちんの手術をした。】#6 〜手術・後編〜

          先生はまず、ちんちんの消毒をした。 僕は目を瞑った。 直視出来たのは、ここまでだった。 怖くて怖くて、目を開けるなんて事はとても出来なかった。 とにかく強く目を瞑った。 震えそうな両手を強く握って、手術に影響が出ないように、可能な限り小さくゆっくりと呼吸をした。 「それじゃあ、麻酔しますね。」 「はい。」 『.....麻酔。どんなタイプの麻酔だろう?全身麻酔...なんてことはないな、大掛かりな機材も無いし。歯医者さんには塗るタイプの麻酔とかもaruuuuuuu

          【ち○ちんの手術をした。】#6 〜手術・後編〜

          【ち○ちんの手術をした。】#5 〜手術・前編〜

          手術への迷いは、ある出来事により払拭されたのですが、それはまた番外編として書きます。 決心が固まった僕は、ついに”ちんちんの手術”との戦いに挑みます。 初診から一週間。手術当日。 日暮里に向かう電車の中、ちんちんにある謎の塊と過ごした21年間に思いを馳せようと思ったが、不安が押し寄せてくるだけだったので直ぐやめた。 駅に到着するも時間がギリギリだったので、足早に病院へと向かう。 途中、《ちんちんを除菌シートで拭いていない》という重大インシデントに気付き、病院の近くの

          【ち○ちんの手術をした。】#5 〜手術・前編〜

          【ち○ちんの手術をした。】#4 〜初診〜

          人生で初めて、泌尿器科に向かっている。 日暮里に近付くにつれ、緊張も増してゆく。 今日、判決が下る。 Dead or Alive. 《15:30》日暮里駅に到着。 病院の予約時間までは30分ある。 駅から歩く時間を差し引いても早い到着だったが、初めて行く場所ということもあり、余裕を持って行動するに越したことはない。 駅のトイレの個室の方でおしっこをした。 これから診てもらうということで、一応、持っていた除菌シートでちんちんを拭いておいた。 もし僕がマナー講師

          【ち○ちんの手術をした。】#4 〜初診〜

          【ち○ちんの手術をした。】#3 〜要予約〜

          僕の命運を託す泌尿器科は決まった。 いざ、予約だ。 シミュレーションは完璧。 電話をかけ「初診なんですが、ちんちんの先に出来物がずっと有って、それを一度診てもらおうと思って。」そう伝えるだけ。 スマホで検索し、画面に表示された泌尿器科の電話番号の部分をタッチする。 「....プルルルッ...ガチャッ、○○泌尿器科です。」 電話に出たのは女性だった。 『あ..女性かっ.....』 僕は、ほんの一瞬、怯んだ。 長年染み付いた童貞はそう簡単に拭えはしない。 どんな形

          【ち○ちんの手術をした。】#3 〜要予約〜

          【ち○ちんの手術をした。】#2 〜なぜ、取るのか〜

          21年間いっしょに生きてきた、ちんちんの謎の塊。 21年も経った今、なぜ取ろうと思ったかだ。 僕は、最近童貞を卒業した。 コンドームがその塊のところで引っ掛かることに初めて気付いたのだ。 引っ掛かるだけなら大した事はない。 厄介なのは、それによって生まれた新たな弊害だ。 コンドーム装着の際、ただでさえ慣れない作業な上に塊という障害物にまで阻まれ、必要以上に時間がかかってしまう。 そのときに生まれる『急がなければ!上手に装着しなければ!』という”焦り”や”戸惑い”が精

          【ち○ちんの手術をした。】#2 〜なぜ、取るのか〜

          【ち○ちんの手術をした。】#1 〜はじまり〜

          ちんちんの手術をした。 ちんちんの皮のさきっちょに、直径9mm厚さ5mmくらいの脂肪の塊のようなものがずっとあった。 それを取る手術をした。 今、【皮の】と説明したことで、僕が包茎だということが間接的にばれてしまったが致し方ない。(仮性包茎) 中1くらいで『ちんちんに何かあるなぁ〜』と気になりだし、そのときはまだそれも小さかったのを覚えている。 かれこれ21年以上の付き合いだ。 そのくらい、ずっとあった。 ただあるだけで痛いなんてこともなかったし、あまり気にはし

          【ち○ちんの手術をした。】#1 〜はじまり〜