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Nick Drake - Five Leaves Left
1969年作1stアルバム。ジョーボイドプロデュースの1stアルバムであり、フェアポートコンベンションのメンバーの参加もあるが、それ以上にロバートカービーのストリングスアレンジが際立って素晴らしい作品。ロバートカービーは、おそらく最初の取り組みが本作になるが、その後コステロやポールウェラーの楽曲のアレンジも手がけるようになる。ニックドレイクの表現力を最大限に引き出すロバートカービーアレンジは本当に美しいと思う。
River Manは、歌い出しからのコードの変化が素晴らしい。この声とギターの美しさをさらに引き立てるのが3回目のブリッジの繰り返し以降の楽曲の空気感を作り出しているストリングスだ。シンプルなアレンジで出過ぎないバランスを保ちながら静かに滲み入るようなサウンドを生み出していると思う。
Way To Blueは、美しいコードによる室内楽のような凛とした空気感が素晴らしい。ニックドレイクの歌自体は非常に淡々とした表現に徹しているが堂々とした歌い方は、その後のニックドレイクが辿った道を思うと非常にエモーショナルな表現に感じる。
Fruit Treeは、フリーフォーク的なギターのアプローチが印象的だ。もしかしたら本来のニックドレイクのスタイルはこういった方向性だったのかもしれない。ここでも寄り添うようなストリングスがとても美しい。マイナーコードとメジャーコードの移り変わりと透明感に惹き込まれる。