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My Jazzy Child - Inneisme

ブライアンジョーンズのソロ作品を思わせるフィールドレコーディングとコラージュという制作プロセスながら、一方でエディットはポップな感覚を持ち込みつつ行われたような雰囲気がアヴァンポップ的でもあるフランスのMy Jazzy Child による2021年作。解説によればピグミーの言葉やヒンディー語、英語、オック語、フランスのパトワによる様々な歌唱をコラージュした作品になるとの事。とても面白いアプローチだと感じた。

Auroreは、打楽器のリズムを細かくエディットしたグルーヴが素晴らしい。リズムトラックのエディット感覚と本来的には分離しているはずのボイスパフォーマンスが中盤のブレイクをはさんで一定のグルーヴを保っているエディットセンスが印象的だ。

La Belle Dameは、トライバルなリズムとボイスサンプリングの組み合わせがシリアスなミニマルミュージック的な雰囲気を醸し出している。一方で、様々なボイスを持ち込むアプローチはシンプルなアイディアだが結果として不思議なポップ感を上乗せしている部分がありその効果が面白い。

La Fonte Des Tempsは、本作中もっともコラージュ感が分かりやすく打ち出されている。フィールドレコーディングを長尺なサンプルファイルに置き換えて組み合わせる中で収録された光景を全く別の形に置き換える手法がシンプルに提示されているようにも感じられた。

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