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Natural Calamity - Down In The Valley
森俊二と杉本邦人によるユニットの1stアルバム、1991年作。レーベルオーナーである中西俊夫の当時のコンセプトは"スローダウン"だったという解説があった。ナチュラルカラミティのアプローチはまさにこのコンセプトに相応しいイメージがある。バレアリック〜アンビエントにも通じる世界観とサンプリングヒップホップの一方でレイドバックスタイルも感じられる空気感が素晴らしい。
Down In The Valley は、アコースティックギターの乾いた感触と抑制されたブレイクビーツのループの組み合わせが素晴らしい。それらを覆うアンビエンスを含めてポストバレアリック的な感覚に満ちている。
Million & Half Menは、ビンテージリズムボックスを使ったリズムトラックが素晴らしい。リズムボックスと枯れたギターという組み合わせはスケーターシーンでも使われたストリート寄りのメランコリー感があるように感じる。とても美しいサウンドだと思う。
Interzone Pt.2は、逆回転エフェクトやフィードバックと淡いエコーの中で爪弾かれるギターの組み合わせがとても美しい。残響がフロントに配置された構造はスローダウンそのものというイメージもあり、その余韻やアルバムコンセプトとともにとても印象的なトラックだ。