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The Roosters - C.M.C

ルースターズの1983年作。4曲入りのEPで、様々な解説を読むと本作前後の大江慎也のコンディションは好調とは言えないような状況だったようだ。バンドが徐々にネオサイケデリック感を強めている事や随所に差し込まれたラジカルなフレーズとタイトなロックバンドの魅力が混ざり合った作品だと思う。

タイトル曲C.M.Cは、圧倒的なテンションから始まるノーウェイブ的なノイジーなイントロが印象的だ。楽曲がはじまるとエイトビートに3コードのシンプルでストレートなロックを展開する。対照的な両者ははじめのうちは混じり合わないが、フックに差し掛かると不穏なギターが3コードを濁らせていき次第に混じり合う。とても美しいフックになっていると思う。

カレドニアは、やはりノーウェイブ〜ポストパンク的なイントロから始まる。冒頭曲のストレートなコードとは対照的にネオサイケ的なコードがエフェクト処理されたボーカルを覆う。混沌とした間奏はとても印象的でどのパートも浮遊感溢れるアプローチに惹き込まれる。

ドライヴ・オール・ナイトは、リズムマシンによるリズムトラックがバンドの中で不思議な存在感を放っている。Elliott MurphyのDrive All Nightがおそらく原曲になるが、かなりオリジナルのイメージも意識した作りになっているように思う。その上でリズムマシンを使ったアプローチがやはり面白いと思う。

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