Ugly - Twice Around the Sun
シルキーでサイケデリックなコーラスが素晴らしいUglyの2024年作。of Montreal的なしなやかな混沌とBlack Midi的な細やかさが同居する不思議な作風が素晴らしい。太陽の周りを二周という詩的なタイトルとキルト作家による制作だというカバーアートの組み合わせは非常に暗示的な要素が感じられる。
The Wheelは、冒頭アカペラのエレファント6期のof Montrealを思わせるストレンジポップアプローチで一気に惹き込まれる。リズミカルなアカペラからバンド演奏が始まり、シンフォニックプログレ的な複雑な演奏に入り組んだコーラスが重なる圧倒的な構成が印象的だ。
Shaは、ギターの淡々としたアルペジオに柔らかなリズムとエイトビートを基調にした楽曲がやはりストレンジポップ全開のコーラスワークを伴って、決して華やかな骨格ではない楽曲を煌びやかに表現し尽くす表現力が素晴らしい。念仏を唱えるテーマ部分は日本語としてはノベルティソング的な印象もあるが、それらを乗り越えてソフトサイケで覆い尽くすアレンジに惹き込まれる。
I’m Happy You Are Hereは、静かで野心的な楽想がとても面白い。インストを支えるシルキーなコーラスとボイスパフォーマンス、後半はアシッドフォークを思わせるアプローチとシンフォニックプログレが融合して圧巻のエンディングに向かう表現力が素晴らしい。