Orquesta De Las Nubes - El Orden Del Azar

スペインを拠点とするOrquesta De Las Nubesによる1985年作。ギターとヴォイスパフォーマンス、電子音とマリンバ等を組み合わせて、プリミティブな要素と洗練された構造が交差する流麗なミニマルミュージックに仕上げた透明感溢れる作品だ。

Sobredosis De Pasionは、ミニマルミュージック的な質感を伴いながらポップなメロディーが楽想を進めていく。時折差し込まれる細かなパッセージによる不思議な短いフレーズと、ゆったりしたテーマの組み合わせが素晴らしい。

Solo Dosは、インタールード的にはさみこまれた短い楽曲でビブラフォンによる簡単なテーマとその変奏になる。マリンバやビブラフォンが本作の中でミニマル的な要素を担っているように感じるがよりコンテンポラリーな世界観も持ち合わせた上でそういった表現に集約されていくスタイルはとても先見性があると思う。このトラックにはそんな横断的なフィーリングの一端があるように思う。

Ell Orden Del Azerは、幾何学的なボーカルの旋律とブロックコードを重ねるピアノとギター、その間を埋めるマリンバ、どのパートも楽曲の骨格を担っている。中盤のオルガンも含めて圧倒的なアレンジがとても印象的だ。