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John Lennon - Meditation Mixes of Mind Games

本作はオリジナル マインドゲームスのトラックをベースにしてショーンレノンが手がけたメディテーションミックスになるが、非常に特異なアプローチではないかと思う。ショーンレノンによるメディテーションの解釈はシンプルにスクリュー以降のVaporwaveの流れやKankyo Ongakuの再発見と高い親和性を感じる一方で、原作に向き合う事の意味をさまざまに持ち得る人であろうことを考えるととても意義深い取り組みのようにも感じる。

冒頭のMindは、Mind Gamesオリジナルトラックのフックの部分をキーはそのままタイムストレッチやリバーブ、フィルター等重ねた上でスクリューアプローチを重ねて10分に引き伸ばしたコンセプトがとても興味深い。原曲のイメージが断片的に残されているポップさと、淡いドローンの組み合わせが、ジョンレノン作品の上に成立していることの緊張感の中でとても印象的に響く。

Magicは、ほぼギターのアルペジオをストレッチ分解したフレーズを骨格にしているが、徐々にマインドゲームスのブリッジ部分のメロディーが表情を見せる中盤の解放感が素晴らしい。その後、オリジナルトラックのパーツと明確にわかるギターが随所に差し込まれるアプローチに移っていくがサウンドは引き伸ばされ拡張された状態でとても淡く響く。夢見心地感と原曲のマテリアルの具体性による覚醒が交互に現れる不思議なトラックだ。

Peaceは、33分に引き伸ばされたマインドゲームスがミニマルなオーケストレーションのように響く。ここではほぼ旋律は後退、その代わりに和声が前面に打ち出されている。強度の高いオリジナルトラックを最も解体したのが本トラックではないかと思う。

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