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アイスコーヒーと虚構のコーヒー歴史譚
カフェラテはホットよりアイスのほうが旨い。
さっき頼んでみてわかった。
思うに、アイスのほうが味の輪郭線がはっきりしてて、コーヒーを明確に感じられるからだと思う。僕はコーヒーが好きなのだ。
その点、ホットは落ち着くけど、牛乳臭さがややコーヒーの味をぼやかしてしまう。なるほどなあ。
さて、もう書くことがない。
やっちまった。
こんな些細なことはTwitterにでも放流しておけばいいのに。なぜnoteで書きはじめたのか。なぜカフェラテとカフェオレの違いについて気になって調べてもすぐ忘れて何度も調べるのか。
何書こうかな。
役に立つ記事は他の人が十分書いてるだろうから、少なくとも自分は役に立たないフィクションを書こうと思う。
コーヒーには昔こんな歴史があった。
コーヒー豆の原産地でしられるブラジル。
その広大な地に1人の青年がいた。
彼の名はマキシマム・リョウ。
マキシマム・リョウは人一倍体格に恵まれ、誰かが引っ越すときは必ず呼ばれる奴だった。そのくせ中身は繊細なやつで、道端の花を見て「悲しみがマキシマム」とつぶやく詩人だった。
みんなは彼のことを「フラワーボム」と呼んだ。
花のように繊細でボムっぽいからだ。
ある日の朝、フラワーボムは道端でお気に入りの花に水をやろうとした。ところがどっこい、花が見つからないのだ。
コシーニャの隅、ポンデケージョの奥…
こんなとこにいるはずもなく絶望と黄昏。
気づけば日は熟し、あたりはナイトプールみたいに…いや違うな…ふつうに静かな夜になった。
家に帰るとボムの母親が豆のスープを作って待っていた。彼は母親の優しさに何度泣いてやろうかと思っただろう。ひとくちスープをテイスティングすると、しかしボムは吐き出した。
「なんだこれ、苦い」
母親は言った。
「豆だよ、そのへんで拾ったから煮てみた」
なるほどこいつがコーヒー豆っていうフィクションでした。おしまい