「やさしい日本語」との出会い
きっかけ
2005年、京都で活動するボランティア日本語教室
にほんご空間・京都のメンバーになって数年後のことでした。
初級クラスのRさんが私を褒めてくれました。
R「先生、日本語上手ですねぇ~」
私「???・・・」(結構長く日本人やってますけど…)
実は、彼女は日本人男性と結婚し、京都でお義母さんと住んでいました。
日本語教室で先生の日本語はほとんどわかるのに
なぜかお義母さんの日本語がよくわからない。
だから、先生の日本語がとても上手なんだ、
とそう思ったんですね。
語彙コントロールと「やさしい日本語」
実は、日本語を教える際の基本に
「語彙コントロール」というのがあります。
とくに初級の学習者に対しては
ゆっくり話す、わかりやすく口を開けて話すのはもちろんですが
すでに学習した言葉と文法内で話すというのが原則。
たとえば、まだ「れる・られる」を学習していない間は
教師は「れる・られる」を使わない、といったルールです。
教師の学習者にとって100%わかる言葉と文法で
話すように努力しているんですね。
これをきっかけにWebで調べ始めたのが
「外国人にとってわかりやすい日本語」
そして出会ったのが「やさしい日本語」です。
タイミングよく、弘前大学人文学社会学研究室、減災のための研究会では
『新版・災害が起こったときに外国人を助けるマニュアル』を
無料配布していました。
「マニュアル」の内容
今でこそ、いろいろなところからガイドブックが出ていますが
「やさしい日本語」のオリジナルはこれだと思います。
このマニュアルには「やさしい日本語」の作り方もありますが
放送用の時系列の案文、「やさしい日本語」を使ったポスター、
災害基礎語彙100、弘前市版ですが避難場所や病院、大使館の連絡先や
翻訳、通訳ボランティアリストまで。
こんなマニュアルが各自治体ごとにあれば、きっと役立つはず
感動したのです。
そして「やさしい日本語」の作り方、つまりルールですね
これをたくさんの日本人に知ってもらえれば
誰でも多くの外国人とコミュニケーションが取りやすくなる、
たくさんの人に知ってもらいたい!
そんな思いで始めた「やさしい日本語」の講座
それが「やさしい日本語」有志の会の活動の始まりです。
もちろん、初めのころは私の説明の仕方も下手だったため
「そんな幼稚な話し方は外国人に失礼だ!」と怒られたり
行政窓口では名刺交換さえしてもらえなかったことも・・・。
それでも「いつかは芽が出る」と信じて
たくさんの方に助けていただきながら
まじめに続けてきて、すでに10年超。
誰よりも、わかりやすく、楽しく学べる講座になるよう
日々精進しています。