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1人暮らしの叔母が認知症になった

正直に言おう。

夫の、父方の叔母は今年85歳。認知症が進み、何度も同じことを繰り返す。過去は覚えているが、さきほどの会話、昨日の出来事は覚えていない。未来の約束は、毎日何度でも確認の電話をよこす。

「●月〇日、何時に迎えに行くよ」を、毎日「明日」だと勘違いした電話をかけてくる。

その叔母が「電気代、水道代、ガス代を払いたいから、明日、銀行に連れていってくれ。携帯は盗まれてしまった」と店までやってきた。

これが、発端だ。

甥である夫には、叔母の面倒を看る義務はない。彼女には実の娘がいる。

しかし、娘は叔母の面倒を一切みていない。そのため叔母は、国民年金だけでは生活できないので、アパートの家賃分(4万円分)と、週三回のデイケア費用が生活保護費から支出されているのだという。

叔母は、娘2人、息子2人と子宝に恵まれた。

だが、親戚中に迷惑をかけた旦那は早くに亡くなり、結婚した子供たちのうち、宗教にハマった長男は自殺、次男は過労死、長女は乳がんで死亡。次女だけが隣町で住んでいる。

甥と姪にあたるのが、夫と、夫の妹、つまり私の義理妹という関係。

叔母を見捨てるわけにはいかず、わが家が叔母の光熱費や家賃管理を代行することにした。几帳面な叔母は、払ったことを忘れて何度でも払いに行こうとするのだ。

日常の食事は近くのコンビニだという叔母のために、わが家と、義理妹が交代で、叔母の毎日の弁当を作ることになった。そして毎週水曜日は、うちのの家業の定休日なので叔母を連れてのランチ外出。外に出て刺激を与えるのが目的だ。

正直、そこまで負担する義理は無い。ほんとに、全くない!

叔母の、亡くなった亭主の連帯保証人となったために、夫の実家や財産は根こそぎ奪われて無一文になった過去の歴史もある。その結果、相方はまだしも、当時高校生だった義理妹は、貧乏のどん底生活を味あわされ進学を諦めた。

過去は過去。

目の前に、認知症となり、「なんで私だけ残ったんだろうね。早く死にたい。長生きしたくない」とネガティブシンキングの叔母が居る。

親より先に死んだ三人の子供たち。どれほど辛いことだろう。彼女は亭主が死んだあと、家政婦をしながら子供を育ててきた。78歳まで、現役の家政婦だった。

明日のことは分からないけど、百%面倒をみるのは無理だけど、とりあえず私たちに出来ることをしようと思う。

PS 生きる希望を失えば、認知症になる確率も上がるのだろうか。