#053 会話が得意だと思い込んでいた
やさかもです。今日の写真はの六本木にあるダウンステア―ズコーヒーという、メルセデスのショーラウンジと一体になっているカフェ。開放的な空間でお気に入りでした。
酒の席で上司に叱られた
さて、今年に入ってからお酒の席で上司に指導を受けた。同僚2人と上司1人、そして僕の4人で楽しく話していたところ、突然上司にお叱りを受けた。どうやら、僕は同僚(歳下・男性・会社の先輩)が話をしている間に、それを遮るように自分が話し始めたらしいのだ。仕事の話というよりは、雑談に近い内容だったのだが、オトナのマナー違反として注意を受けた。
正直、驚いたしショックだった。自分では全くの無意識だったからだ。それに、テーブルマナーにはかなり気を付けていたし、上司や同僚の飲み物がなくなれば率先して注文したり、お皿を片づけたりしていた。言葉遣いも努めて丁寧にしていた。周囲に不快を与えないように細心の注意を払っていたのに、叱られてしまったのだ。
ショックは受けたものの、結論から言えばお叱りを受けて本当に良かったと思っている。これまでそのことを指摘してくれる人がいなかったからだ。では、どんな会話の内容だったかを再現しよう。前提情報として、僕とその同僚は普段別の事務所で仕事をしており、お互いに一人で作業をする時間が多い。
同僚:ひとり、事務所で仕事していると寂しいですよー。
上司:Zoomで他の事業所とよくコンタクトとっているじゃない。
同僚:Zoomするのなんて30分くらいですもん。孤独ですよー、(このあたりで僕がカットインしたらしい)
やさかも:もうすぐ5Gの時代が来るから、本社に映像をつなぎっぱなしになって、常時監視されることになると思いますよー、(と、ここで上司からの喝が入る)。
僕の悪い癖
おそらく、上司はここの会話だけを切り取って喝を入れたのではなく、僕の話し方が以前から気になっていたのだと思う。同僚とシビアな意見交換をしていたわけではないので、正直お叱りを受けた瞬間は本当に自分が相手の話を遮ったのかさえ分からなかった。でも冷静になって振り返ると、僕は相手の話を時々遮ってしまっていたことに気づいた。
わかりやすいところで言うと、
・相手が意見を述べている最中に割り込んで、話し終わる前に自分の意見を言い始める。これは誰がみてもマナー違反だ。やさかもも、カッとなるとこの状態になることがあるので、これはもちろん反省すべき。
問題は僕の次の癖だ。こちらは無意識でやっていた↓
・相手が話していることに同意。相手を理解していることを強調したいがために、余計な相槌を入れてしまう。さらに、情報を追加してしまう。
あー、そう!わかります、それ。例えば○○○ってことですよね!僕も○○○で読みました、それ。
みたいなこと。これも相手を遮っている。不愉快極まりないではないか。相手に情報を与えたいが先行してしまって、結局相手の話を「聞いていない」のだ。そう、僕は人の話を聞けていなかったのだ。さきほどの会話で言えば、「5G時代の到来を想定しているやさかも」を相手に見せたくて必死なのである(笑)。実にチープではないか。
僕は依然からお酒が入ると調子に乗る性質がある。声も大きくなりがち。基本的に明るい酒なのだが、それが人様に不愉快を与えているなんて思ってもいなかった。周りのみんなは僕に寛容にしてくれていただけの話なのだ。
1聞かれたら10答えてしまうのも僕の癖だ。特に自分のことを聞かれると、多めに回答してしまう。笑顔で応対してくれているかもしれないが、「お前の話はどうでもいいよ」と思われているはずだ。例えば、過去の海外生活の事を聞かれると、得意になっていろいろと話してしまう。でも実は、相手はそれほど聞きたいわけではなく、社交辞令として質問してくれただけなのかもしれないという想像力が足りなかったようだ。
原因はなんだろう
やさかもの問題の原因を突き詰めていくと原因は2つじゃないかと考えた。
1.バカだと思われたくない、というエゴ。
僕はこれまで、相手に対して素速いレスポンスを心掛けてきた。わかりません、知りません、よりも「あー、それ聞いたことあります!」なんてチープな返答で相手の気分を害さないようにと気をつけてきた。でも考えてみれば、まったく意味がなかった。会話のキャッチボールになっていないからだ。僕はキャッチボールでなく、来た球をでたらめに打ち返しているに過ぎなかった。
相手にイライラされたくないので、すぐに相槌を打ってしまう。僕、聞いてますよ!というアピールのつもりが、逆効果になっていたように思う。単に相手の話を遮っていたのだろう。
2.海外勤務と日本勤務のカルチャーギャップ
過去8年間、僕は海外や海外で仕事をする日本人、および外国人との交流が増えた。個性的で魅力的な方が多く、僕も彼らに負けないように自己表現・自己主張をすることが当たり前になった。なんとか自分を相手の印象に残そうとか、賢く見せようなどというエゴが増幅していった。特に海外で外国人と仕事をするときには、白・黒はっきりした言い方が大事だし、物言わず黙っていることは相手に同意とみなされる。会話のレスポンスが遅いと、頭が悪いと思われる(特にベトナムではせっかちな感覚が強い)。外国語を使う場合は特にである。
日本人との交流においては、最低限のマナーは守っていたつもりである。ただ、海外で勤務する方々は「とても優秀だけれど、日本社会に窮屈を感じていた人」が多かったりするので、自由闊達な会話が受け入れられやすい傾向にある。
そんな僕が帰国して、純日本社会の中でコミュニケーションに戸惑いを感じているのも事実。自分を前に出す感覚が抜けきらない。新しい職場において、「バカだと思われたくない」エゴがフル稼働しているらしい(笑)。そのことに和やかな酒席の雰囲気を中断してまで気づかせてくれた上司に感謝である。
アクションプラン
叱られた食事会から帰宅してすぐ、僕はこの本をさっそくAmazonでポチッた。神トーーク「伝え方しだい」で人生は思い通り
冒頭でさっそくガツンとやられた。
人の心を動かすための大原則は、コミュニケーションの取り方やテクニックではなく、「自分自身の日常の姿」がすべての土台になっているという事実を認識する事。
私たち人間は、どんなに論理的に正しい事を言われたとしても、「感情」が同意していなければ、真に受け入れることはできないのです。
自分を頭上から客観視できるオトナにならなくては。”Self esteem(自己肯定感)" と ”humbleness(謙虚さ)”このバランスを上手にとるのがオトナの振る舞いではないだろうか。自信は大事。だけども内に秘めておけばよい。「能ある鷹じゃないんだから、せめて爪くらい隠しておけ」である。
またひとつ課題が見つかって、やさかもは前を向ける。耳に痛いことを言ってくれる人には感謝を。コミュニケーション能力が高いと勘違いしていた自分に、喝ッ。
◆今日からのアクションプラン
①最後まで聞く ②否定せずに受け止める ③聞くが8割、話すが2割
Stay home. Look at myself critically.
行動を起こさない「天才」より、行動を起こす「バカ」であれ。
53日目、おわり。