\今年もたくさんの出会いがありました/ 彌榮自動車からみた祇園祭前祭2024【前編】
みなさん、こんにちは。
彌榮自動車公式noteでございます。
相変わらず、今年の夏も暑いですねぇ…
今年はどれだけ「酷暑」という言葉を聞いたか…そう思う担当者です。
さて、京都の夏の始まりを代表する祭礼といえば、祇園祭です。彌榮自動車は京都市内中心部に事業用物件を多数所有している関係で、祇園祭の町衆企業として様々な場面でお手伝いさせていただいています。昨年もその関係で様々な経験をさせていただいた担当者ですが、今年もたくさんの出会いと、貴重な経験をさせていただきました。
ということで、今年もやってきました3年目。
Instagram・Facebook(と最近は本業よりも広報の仕事が増えていると感じている)担当者がファインダーを通じて経験させてもらった祇園祭(前祭)について、みなさんにご紹介いたします。今回は「曳き初め」までの前編です。しばらくお付き合いいただけますとありがたいです。
函谷鉾での粽(ちまき)作り
祇園祭のちまきといえば、この時期を楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。かくいう担当者も粽を玄関に飾り、親類にも送ってみんなで無病息災を願うあれです。
今年も新入社員のみなさんが、函谷鉾ビルに集まって粽づくりのご奉仕をさせていただきました。
そして、なんと今年はその粽づくりにとあるゲストが登場しました。
なんと、なんとっ。担当者最推しの「トラりん」が京都国立博物館からやってきたのです!
しかも台車に乗って登場。
どんな目的でやってきたかというと…
粽をじっと確認し
作り方が記載されたマニュアルを確認して…
伝承委員(伝承委員とは:函谷鉾独自のもので、函谷鉾の保存運営に携わる委員さんのことを指します)の斉藤さんから作り方を聞き
なんと、粽を作り始めたではないですか!
斉藤さんから「ちょっとやりにくい手かもしれませんね」と突っ込みを受けていたのですが、さすがそこはなんでもできる「永遠の1歳」。最後は勢い余って斉藤さんに思いっきりハグしていました。
ぜひこの一部始終は「トラTube(トラりん公式YouTubeチャンネル)」で見ていただければ、当日の様子がしっかりと確認できます。
個人的にはいたずらっ子のトラりんに「イテテテテ」と真顔で反応される斉藤さんの様子がツボです(サムネ左参照)。
函谷鉾と京都国立博物館のご縁について
そもそも論、なぜトラりんが函谷鉾を訪れることになったのか。あれっと思われた読者のみなさんもいらっしゃるのではないでしょうか。そこには函谷鉾と京都国立博物館の深く、そしてとても大切なご縁があり、今回のトラりんが函谷鉾にお出かけするということが実現したのです。
吉符入が終わったある日、トラりんと京都国立博物館の彫刻担当・竹下研究員が、函谷鉾保存会の岡本理事長にそのご縁を尋ねに行きました。
岡本理事長から二人が聞いた話はどのようなものであったのか。
おそらくここで話を始めると、曳き初めまで話が進まなくなってしまいますので、ぜひ「虎ブログ(トラりん公式ブログ)」をご覧ください。
「虎ブログ」担当者も愛読しているのですが、いつも勉強になります。
今回はこのご縁について、歴史・時代背景・鉾町のことなどとても幅広くそしてわかりやすく記載がされています。写真も多く、すっと最後まで読めると思いますので、こちらもご覧いただくと、より一層親しみがわくかと思います。
二階囃子と出囃子を聴く
祇園祭といえば、二階囃子です。
祇園祭が近づき、鉾町の周辺を歩くと「コンチキチン」の音色が聞こえてくる、それがいわゆる二階囃子で、町会所の二階で練習していることが多いことから二階囃子と言われます。そして、各種行事など(なんと時には練習も兼ねます)で町会所以外の場所で行われるお囃子を出囃子と一般的には言います。
まず今年はこちらも町衆企業のご縁でご一緒させていただいている四条傘鉾がリッチモンドホテルプレミア京都四条のロビーで出囃子をなさるということで、7月上旬に伺ってきました。
四条傘鉾と彌榮自動車のご縁はこちらのリリースに詳細はお任せするとして「JR西日本不動産開発ヤサカビルの竣工及び開業について(2021年9月リリース)」。今年は四条傘鉾保存会の佐野副理事長からお話を伺う機会がありました。すると…「四条傘鉾は1988(昭和63)年におよそ100年ぶり再興されました。傘鉾町にはお囃子や棒振踊り(その様子は後編で)を練習する町会所はなく、止むを得ず近くの小学校の校庭や体育館でやっていた」そうです。そんななか「ビルの計画段階から地元の傘鉾町と打合せを重ねるなかで、JR西日本不動産開発さんと彌榮自動車さんの担当チームのみなさんが小学校での練習風景を見学に来られ、ビルの設計に工夫を加えて二階囃子ができるスペースを組み合わせたビルを竣工していただいたことで、大きく四条傘鉾は変わったんですよ。」とのことでした。
いつも弊社SNSを見ていただいていることも伺い、町内企業として、そして京都の企業としてただ事業を行うだけではなく、会社として「どのように文化を守り継承していくことが大切」なのか、ひしひしと感じたお話でした。
さて、ホテルにやってきた担当者。
既に会場の準備も万端で、みなさん揃われた様子はそれこそ異空間。
どこかの舞台でやっているお囃子を聞きに来ているような錯覚に陥ります。
そして、ここからがすごい。あくまで練習の一環とのことなのですが、あっという間にその世界観に引き込まれます。
写真の話になりますが、担当者は例年動きを出すために低速シャッターを切っています。普通人間は体が動くと、同時に体幹も動くので、普通は全体がぶれた写真になります。しかし囃子方のみなさんそうなのですが、体幹が動かず、肘の先だけが動くという躍動感のある写真になります。撮り手としてもすごい写真が…と思うのですが、何より囃子方のみなさんの日頃からの鍛錬が垣間見える瞬間でもあります。
四条傘鉾での出囃子を見学させていただいた翌週、函谷鉾で二階囃子が行われるとのことで、函谷鉾の会所へ伺ってきました。
みなさん、揃って準備万端。
早速二階囃子の音色が会所を越え、鉾町一帯に響き渡ります。
そして今回その二階囃子をトラりんが体験するということで、トラりんも函谷鉾町の会所へやってきました。
ここで担当者が驚いたのが、当たり前のように鉾町の礼儀作法に則って、「牛頭天王(ごずてんのう)」と稚児人形の「嘉多丸君(かたまるぎみ)」が祀られている神殿の前に座り、丁寧な二礼二拍手一礼をするトラりんの姿。そのしぐさがとてもきれいで、相当練習したんだろうなぁ…と思う「トラりんとしてどう祇園祭に向き合っていくのか」の心意気を感じた瞬間でした。
そしてトラりんの目の前で二階囃子の音色が響き渡ります。
それを真剣に聞くトラりん。
そして二階囃子がひと段落したあと、囃子方の集まりである嘉多丸会(かたまるかい)の野澤会長から二階囃子について説明がありました。
二階囃子とは…という説明から始めていただき
それぞれに楽譜が存在すること、そして嘉多丸会、伝承委員のシステムについてとても丁寧に説明してていただきました。
そんななか、囃子方のみなさんからでた一言。
「そういえば、虎(楽曲名)があるやんか!」
せやったと、野澤会長が「虎」の楽譜をみせてくれました。
とても丁寧な説明をしていただいた野澤会長。
最後はトラりんともハイタッチをしていました。
その後、みんなで記念写真を撮ろうという話になり、トラりんが嘉多丸会のみなさんの輪へ向かうと…
みんなに囲まれ、一気ににぎやかに。すると…
トラりんに格闘を申し込んでくる猛者が。
京博でいつも見る光景とは違う光景に驚きつつも、函谷鉾というところでトラりんが当たり前の光景のように受け入れられているのだなぁ。と感じた瞬間でした。
そして最後は記念撮影。
これだけ嘉多丸会のみなさんが笑顔になるって、これがトラりんの持っているものなんだろうなぁと思った担当者でした。
函谷鉾の曳き初め
前半最後になりましたが、ここでは曳き初めの様子をお届けします。
曳き初めとは、鉾建てが終わった山鉾を実際に曳くことで、各部の調整や問題ないかを確認するための、いわば試走行みたいなものです。
前祭に参加する函谷鉾は、前祭に参加する山鉾の一番最初に曳き初めを行うことから、例年多くの人が訪れます。今年こそ順調に鉾建てが進み、7月12日に曳き初めが行われました。
曳き初め直前まで降っていた雨も、曳き初めの直前にぴたりと止み、さすがだなぁ…と感じた担当者。
関係者が集まり、いよいよ緊張感が高まってきます。
そしてお囃子の音色が響き始めより一層の緊張が高まってきました。
そして、音頭取りの「エンヤラヤー」の掛け声に合わせ10トンを超える鉾が音を立てて動き始めました。
担当者も毎年緊張しながらこの瞬間をファインダー越しに迎えますが、この時の音と歓声は素敵だなぁと思います。
そして四条通りを東へ進む函谷鉾。
鉾町のみなさんの掛け声と、曳く人やギャラリーのみなさんの歓声に包まれて東へ進んでいきます。
そして最初の目的地、四条烏丸に到着。
次は四条室町まで鉾が動きます。
それまでの間準備に入ります。
そして再び「エンヤラヤー」の掛け声とともに鉾が動き出します。
今度は四条室町までの四条通りを西に向かいます。
スムーズに鉾は進み、西側の目的地、四条室町までやってきました。
四条室町の交差点に到着した函谷鉾。
最後は函谷鉾町会所への大一番です。
そして最後を引かせていただいたのが今年の新入社員9名です。
再び「エンヤラヤー」の声が掛り、鉾先で並んでいた新入社員と引率の熊谷次長の10名が一斉に綱を引き、鉾が動き出しました。
曳き初め最後の回は「鉾町のみなさんも入ってください!」という声がかかり、伝承委員さんも含め、鉾町のみんなで鉾を曳いていきます。
みんなで力を合わせ曳くことしばし。
無事に函谷鉾が会所前に戻ってきました。
みんなで拍手のあと、綱を持ち上げ曳き初めに関わったみなさんが移動していきます。
無事に今年の曳き初めも終了しました。
新入社員のみなさんで集まって記念撮影です。
ということで、今年の曳き初めも無事に終了しました。
そして、前半はここまでです。
あっという間のつもりが、今回も長文になり恐縮です。
次回は宵山の間から、山鉾巡行までの動きをお届けいたします。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。
それでは、みなさんしばらくお待ちいただければありがたいです。