世界が嫌いになった話

私は世界が嫌いだった
小3の時に転校生へ普通に接したあの日から何もかもが地獄だった
その転校生はクラスでイジメの対象だった
当時の私はそういう事に興味が無かったんだと思う、だから気づかなかった
クラスという集団の中で周囲と違う事をしたらどうなるかを

周囲の笑いが嫌いだった
クラスという名の塊は1人の子供には大きかった
イジメは当人に分かりやすく、周囲には分からない
常に形を変え、バレないように、より陰湿に歪んでゆく

私自身が嫌いだった
誰にも言えない苦しさと周囲への憎悪、そして自分の無力さへの絶望がどんどん押し潰していく
まるで生きてる事が間違ってるかのように、存在自体を否定するように

ヒーローが嫌いだった
クラスの人気者はヒーローに見えた
そんな人気者もイジメてくる側だった
ヒーローの対がヴィランなら、クラスの中でヴィランは私だった

正義という言葉が嫌いだった
集団の中で形成された歪んだ正義は常に理不尽で残酷だった
それは社会でも何処でも、集団の中で発生する

残酷な現実が嫌いだった
イジメをした者達はあっさりその事実を忘れる
ボロボロになるまでイジメられた者を残して


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