「ゆるみ」で、成長する。
植物の成長は、伸長生長、基本的には上方向に伸びます。
ナズナなどは、発芽、成長、タネを残して世代交代するまでを約2週間という早さでおこないます。
その間にできるだけ高く伸びて、高いところから広範囲にタネをおとします。
植物が成長するとき、細胞壁にゆるみが起きます。
植物の細胞には、車のタイヤと同じくらいのつよい膨圧がかかっています。ゆるみで圧がとけ、膨張し、その膨張での動きが、伸びるための駆動となっています。
細胞の繊維方向によって膨張する方向が決まります。大半が上下方向の繊維なので、上下に膨張、上方向に伸びていきます。
細胞のゆるみは、成長ホルモンが活性することでおきます。細胞の傷の修復にも作用します。
成長ホルモンは常に植物中を上から下に流れていて、細胞が傷つくと、傷のところで流れをとめます。
どこで流れがとまったかを植物自身が知ることで、そこで自身が傷ついていることを理解し、傷を補うためのためのはたらきをはじめます。
成長するための成分、傷を察知する成分が明確にあるわけではなく、膨張や流れを通して、細胞内のそれぞれが機械的に役割を把握し、それぞれがはたらきあって、植物は成長しています。