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儲かる農家とそうでない農家について考えてみた


僕は沖縄のとある支店でJAおきなわ職員として働いています。




さて、本日のテーマですが、『儲かる農家』と『そうでない農家』について書いていきたいと思います。



めちゃめちゃ上から目線なタイトルで記事を書きながら申し訳ない思いでいっぱいでした...


しかし、JA職員として働く僕がこの記事を書くことで農家さんに"気づき"を与え、農家さんの収入を少しでも引き上げることができればいいなと思い、記事を書いてみました。


さて、そもそも"儲かる"とか"儲かっていない"の定義ってなんでしょうか。


おそらく人によって違うと思いますが、たとえば売り上げが年間1,000万円あったとしても、多くの人件費や農地管理にかかるコストが高ければ、儲かっていないという農家さんもいるはずです。


一方で、自分だけ、または夫婦二人で農業を営んでいるのなら、200万円弱の売り上げでも、『豊かな暮らしができている』、『自分のペースで仕事ができている』となると、それも"儲かっている"ということになるかもしれません。



しかし、本当の意味での儲かる農家とそうでない農家というのは、そういうことではないと思います。


では、両者の違いってなんでしょうか。


それは、"意識の違い"だと思います。


農家というのは、個人事業主の方がほとんどで、その農業事業を営む社長とも言い換えられるはずです。



ということは、社長はその事業(農業)が存続するために日々試行錯誤し、どうすれば売り上げが右肩あがりになるかを自らで考えなければなりません。



そして、いうまでもなく、売り上げが上がろうが下がろうが、誰のせいにもできないし、誰かのせいにしたところで現状が変わることはありません。
全て自己責任でやっていかなければならないのです。


なので、儲かる農家というより、今後も継続的に安定した営農を行うことができる違いなのかなと思います。

経営者意識の低い農家

僕は現役のJA職員として働いているので、おそらく最も世間で農家さんと接する仕事をしているはずです。


前提として、僕は農家さんの売り上げを今よりも上げたいと考えているし、今後廃業に追い込まれる農家さんをゼロにしたいので、この記事を書いたり今後の活動を考えています。(本気です)


しかし、それは農家さん自身の"自分でやってやる"という精神があってはじめて僕の努力も実を結ぶし、自身の売り上げも自然と上がっていくはずです。


では、"経営者意識の低い農家さん"とはどういったところでしょうか。


結論、すぐJAや担当者のせいにして『俺の売り上げが上がらないのはお前らのせいだ』と責任をJA(担当者)になすりつけてくるところにあると思います。


もちろん、JAに至らない点があるのは、職員として働く僕自身も強く理解しているつもりです。
(※かなり至らないので申し訳ない思いでいっぱいです)


JAというのは組合なので、株式会社のような高い意識を持って運営している組織とはほど遠く、民間企業と比べてかなりの温度差があると思います。


しかし、どんな理由があるにせよ自分自身にベクトルを向けずに、すぐに他人のせいにして、果たして売り上げは上がるのでしょうか。


残念なことに、そんなことをしても売り上げは1円も上がるどころか、JA職員との関係も悪くなってしまいます。


事業主である代表者が自社の売り上げが上がらないのを他社のせいにしている会社は絶対にないはずです。


【疑問】全農家が儲かっていないのか?


"農家は儲からない" という噂やJAが搾取しているとか、よく耳にすると思います。


『物価高騰』、『人件費の圧迫』、農家さんを襲う様々な問題が吹き溢れる昨今ですが、果たして日本中の全ての農家さんが儲かっていないのでしょうか。


おそらく、そうではないはずです。

もし、そうだとするなら、それはもはや自治体や日本政府が解決しなければならない問題だと思います。


農家さん全員が赤字経営なら今頃日本の食や第一次産業は崩壊していますからね。


もちろん、農家さんの資金力やサポートしてくれる人の数にも差があるのもわかりますが、不平不満を言う前に、まずは『自分自身はしっかりするべきことをしているのか?』と自問自答をしてみてほしいと思います。


経営というのは、多くのことを行わなければなりません。

・売り上げの管理
・資金集め
・人材の確保、育成
・マーケティング
・取引先の確保や良好な関係づくり


経営というのは適当に挙げるだけでもこれだけ多くのことがあります。
年齢や職種は言い訳にはなりません。
だって、農業事業を営む社長(代表)なのですから。


なので、最後に書かせてもらった取引先、いわゆるJAに対して、全てJA任せにして出荷に必要な書類などを適当に書いて提出していたり、雨が降っていたからと言って、濡れた段ボールでJAに出荷などはしていないでしょうか?


さらに、産地直送の契約農家さんの場合、『今週はどれぐらい出荷がある』というのをJAに期限内に事前に提出をする義務が発生します。



その提出された書類を元に、JAはスーパーのバイヤーと単価の交渉を行います。


なので、予定より出荷数量が前後するなら、担当者に連絡を入れて調整するのが当たり前のはずですが、数量が前後しても報告なしに適当に出荷をし、単価が安ければ文句を言う農家さんもいます。


また、何を書いてあるのか読めない字であったり、市場の開閉日時を毎度聞いてくる人、書類の提出期限を守らない人、前述したように濡れた段ボールで悪びれる様子もなく出荷をしてくる人…など


農家である以前に、一人のビジネスマンとして当たり前のことができていない農家さんが多すぎます。


もし、ダンボールを生産する会社が、『雨の日だから許してね』と濡れた段ボールを納品してきたらどうでしょうか?


B to B、いわゆる企業間取引なら即返品で納品し直しです。


しかし、農家さんは自身がしっかりやるべきことをせずに、売り上げの低下や市場の買い取り価格にに不満があると責任の全てをJAや市場に押し付けてきます。


はっきり言って、『返品されないだけマシ』と言われてもおかしくない出荷物もあるぐらいです。


その点、儲かる農家さん(十分な売り上げがある農家さん)は、JAに文句一つも言いませんし、雨の日でもしっかり綺麗な段ボールで出荷をし、提出書類なども丁寧な字で書いて期限を守って持ってきてくれます。


すると、僕たちJA側も感情を持つ人間なので、好意を抱き、良い情報も悪い情報もその農家さんにいち早く伝達するので、その農家さんがさらに儲かるというわけです。



ここで勘違いしてほしくないのは、僕は農家さんの味方ですし、"農家"という仕事がどれだけ大変なことかも理解しているつもりです。



たまに農家さんのところで収穫などのアルバイトをしに行くのですが、毎日こんな重労働をしているかと思うとリスペクトしかありません。


ですが、大変だからといって、適当にしてもいいことなんて一つもないはずです。


会社員も『大変だからこの提出書類は大体で書けばいいや』何てことは有り得ません。


それは農家だろうと、普通の会社員勤めでも同じことです。


これから僕が沖縄の農業界を盛り上げていくので、どうか一つ手を貸していただけないでしょうか。


農家さん自身も、儲かるための意識づくりに取り組んで頂ければ幸いです。


"農業は儲かる"を一緒に作っていきましょう。


それでは。




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