JA職員として農家さんに謝りたい
僕は沖縄県のとある支店でJAおきなわ職員として勤めています。
JAで働かせてもらっている身分で、そしてお給料をいただいてる身分でどうこう口にするのは少し違う気もしますが、僕の想いやJAの現状を少しだけ書き綴ろうと思います。
JAは不祥事が多いとか搾取しているとか、外部の意見もありますが、今回は大きく分けて3つの視点について書いていきます。
少しだけお付き合いください。
1.職員の情熱が弱い
JA、通称農業協同組合といえば、農家のための組織として地域に根ざしています。
とは言っても、地域の農家さんをサポートするだけでなく、ファーマーズマーケットなどを展開したり、消費者にとっても食を支える重要な組織として日々運営しています。
しかし、それは組織としての地域貢献活動という役割であったり、一事業なだけであって、JAに勤めている職員は全くといっていいほど逆方向を向いている職員が多いのが現実です。
一人一人のやる気がなかったり、農家さんの生産物(出荷物)を見ても何かしらアドバイスをするわけでもなく、むしろ雑な扱いで対応も適当だったりしている現状があります。
理想でいえば、農家さんの売上げを少しでもあげるために全力でバックアップしたり、指導を徹底するのが、一職員としての仕事の仕方なのかなと僕は思います。
どの仕事をしても、どの職場へ行ってもそういった仕事をする人がいるのは事実なので、JAだけに限った話ではありませんが、農家の方からすると頼りにしているJAがこんな感じだと、困るを通り越して呆れてしまうはずです。
2.目指しているところが不明
農業事業だけでなく、金融をはじめとした生活事業や住宅事業、さらにレンタカー事業など、ありとあらゆる分野の事業にJAは携わっています。
もはや何でも屋の状態…といったところです。
株式会社のような法人ならいいのですが、そもそも農協がどういった組織なのかというと、農家のために作られた組織なはずです…
ということは、組合員(農家)の意思は果たしてそこを向いているのか?と度々疑問に思ってしまいます。
農協(JA)のような"組合"という組織は株式会社とは違って『大株主』のような存在が無く、「一組合員一票」という制度を用いているので、個人個人の意思決定が反映されにくく、結局は経営陣(役員)の意思に委ねられていると言っても過言ではありません。
言い方は悪いですが、農家の期待に応えられる組織でもなければ、行き先のわからない船に組合員(農家)は乗せられているような気がするはずです。
行き先がわからない船…となると、当然ながらその船から降りる人もいるはずです。
JAはバックに自治体がいる、政府がいるからと安心している職員が多いですが、現代は自分でなんとかしようと思えば簡単にできる時代です。
ネットでなんでも買えますし、ネットで青果物を販売する手段なんていくらでもあります。
しまいには、農協以外のホームセンターでもバリバリ農機具も販売しています。このままだと、地域の農家は離れていき、もしかするとJAは安定していると思っている職員の未来は明るくないかもしれません。
3.地産地消をもっと推すべき
これは農家の想いを代弁するわけではなく、あくまでも個人的な想いですが、各都道府県のJAはもっと"地産地消"を推すべきではないかと思っています。
※僕自身もJAで働く身分なので、さまざまな事情はよく知っています。
この話はあくまでも、可能とか不可能とかの前に念頭に置いておく大事なこととして書き記しています。
シンプルな話ですが、どう考えても地元の野菜は地元の人が消費をした方が回転率が上がるし、より多くの消費者に対して新鮮な野菜を届けることができます。
なので、朝収穫した野菜がお昼には地域の量販店に並んでいるというのも100%不可能ではないし、理想的な形と言えるわけです。
しかし、それはJAや生産者側の都合であって、量販店側のことは考えられていません。
地産地消というのは作る側と売る側の双方がいて成り立つので、量販店のことも無視できません。(大事な存在です)
量販店にとっても利益を追及するのが存在価値とも言えるわけなので、量販店からしてしまえば地産地消とか、鮮度とかは二の次ということ。
沖縄産より福岡産の方が安く仕入れることができ、多くの利益を取れるというなら、当然福岡産を仕入れて店頭に並べるはずです。
なので、JAができることは量販店のような販売して頂く側と、協力はするけど彼らの言いなりではなく、「そっちがそんな感じなら、野菜の出荷はしません」と言えるぐらいの強気な姿勢を保てるような交渉材料を作るべきだと思います。
必ずしも、農家さんの野菜を量販店に卸さないといけないというルールもないので、他の卸先を探して、農家さんに提供する努力を組織としてしていくことが大事だと強く思います。
それが生産者から手数料をいただいて、JA(農協)を運営していく筋なはずです。
しかし、前述したとおり、職員の情熱が全体的に弱く、「どうでもいい…」とか「そんなことをしても給料は変わらない」と言ったネガティブな言葉が社内で飛び交うので、何かどうしようもない雰囲気で仕事をしなければいけないので、やる気のある職員も自然となぁなぁな気持ちになっていってしまいます。
「どうせこんなことをしても給料は増えない」とか言う人間は給料を増やしてもどうせ何もしません。自ら考えて行動できる人は自ずと収入は増えていくと思っています。(スイマセン、脱線しました)
ここまで、(1)、(2)、(3)、と3つの課題を挙げてきましたが、JA職員として働く僕が感じていることなので、農家さんをはじめとした外部の人からすると、これ以上の疑問を抱きながら、JAの様子を見ていると思います。
昨今、急速に変化していく世の中で、この先もJAが当たりまえのように存在しているとは僕は到底思えません。
JAがなくても、販路を作れる農家さんが増え、インターネットを通じて自分自身で適切な農薬を購入できる現代でJAが不要になれば、JAを支えている組合員が減り、やがて廃業になってしまうかもしれません。
たった数年で、想像もしていない未来が来ないように、もっと真剣に
"農協と農家さんが協働で"歩んでいける日々が来ればいいなと思います。
それでは。