コミュニケーションのためのMECE
【1.問題の所在 ~日本語の隘路~】
一般に、共通のプロトコルで会話できない、というのは、非常にコミュニケーションコストが大きい。
そしてとくに、論点思考を志向する人とそうでない人とでは、まぁこれが大きい。絶望的なまでに。
前者にとって、今なんの論点について会話しているのか不明瞭、とか、縦の論理・横の論理が不十分、とかだと、本当にイライラする。
勘違いされたくないので強調するが、論点思考が偉い、ということではない。前者を志向していると、こういう場面よくあるよね、というあるある話というか、愚痴である。
んで、論点思考しない人というのは、まーとにかく雰囲気で喋る。喋りたいことを思いついた順番で喋る。なんなら、自分で何を喋っているか理解していない。
これが実は推進力を生み出していたりするもんだから、無下にはしないが、こちらとしては正直かなりしんどい。底なし沼にいる気分である。
日本語って、難しいね。
【2.隘路を切り開く ~言語化できないなら選ばせればいいじゃない~】
だからそういう時は、こっちからの質問をほぼ全部クローズドクエスチョンにしてあげる必要がある。
言いたいことが言語化できなくても、選ぶことはできる。
私も就活時代、英語が全くできないのにGoogleを受け、英語面接で何も喋れないまま10分固まったことがあるが、「じゃあこの後の質問全部2択にするからAかBだけ選べ」と言われて、A,B...と言い続けて面接を終えたことがある。面接には当然落ちたが、その場のやり取りは、少なくとも”成立”はしていた。
【3.クローズドクエスチョンのためのMECE】
業務遂行に必要十分なコミュニケーションの質を担保し、しかもそれをこちらからいくつか選択肢を提示するクローズドクエスチョン主体で行う場合、提示する選択肢はMECEであることが絶対的に求められる。
「現状取りうる打ち手としてはA,B,Cの3つの方向性があると思いますがどれがいいと思いますか?」
「ご指摘いただいた点は、A→B→Cというフローで考えるとどこに当てはまりますか?」
といった具合に、クローズドクエスチョンで相手の思考を整理してあげる。
このとき、本当はDもあった、とか、AとBは部分的に同じ、とか、、、、
死にますよ。
【4.MECEは人のためならず】
最近、コンサル大量採用時代×コンサル本の流行により、MECEを目的化する奴が増えてきているが、MECEはどこまでいっても手段である。
そしてそれは、いい資料を納品するため、とか、上司からのレビューをクリアするため、とかではなく、自身の問題解決業務の遂行のためである。
道具はうまく使いましょう。
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