重箱の隅を照らす

「そんなのどうでもいいじゃん」を赦さない。God is in the extreme details.

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最近の記事

SUMIF、OFFSET、INDIRECTを使いすぎると死ぬ

【1. 問題の所在〜揮発性関数なるもの〜】 Excelの関数には2種類あることをご存知だろうか? 揮発性関数と、非揮発性関数である。 揮発性関数というのは、 「引数 (ある場合) が変更されていない場合でも、値が 1 つの時点から次の時点まで同じであるとは見なせない関数」である。 揮発性関数を使うと、Excelが再計算を行う頻度と範囲が爆増する。 なので、揮発性関数を1つのファイルに登場させすぎると、Excelを開くのに5分とか10分とかかる。 【2. 揮発性関数の例

    • 「打ち手の評価」の実務 〜重みづけ方式とゲート式〜

      【1.問題の所在 ~打ち手の評価はめちゃ大変~】どんなに鋭い分析を行って課題の特定をバチコリ決めたとしても、最後には適切な打ち手を実行し、やり切れなければなんの意味もない。 なので、限られたリソースの中で、最善の打ち手を選ぶという営みはめちゃくちゃ重要。 ところがどっこい、ちゃんとやってる現場、見たことないんよね。 「この問題が一番優先度高そう~」というところまでは、現場の勘で筋の良いものが出がち。だけど、そこから打ち手となると、とたんに「とりあえずできるところからやる」

      • コミュニケーションのためのMECE

        【1.問題の所在 ~日本語の隘路~】一般に、共通のプロトコルで会話できない、というのは、非常にコミュニケーションコストが大きい。 そしてとくに、論点思考を志向する人とそうでない人とでは、まぁこれが大きい。絶望的なまでに。 前者にとって、今なんの論点について会話しているのか不明瞭、とか、縦の論理・横の論理が不十分、とかだと、本当にイライラする。 勘違いされたくないので強調するが、論点思考が偉い、ということではない。前者を志向していると、こういう場面よくあるよね、というあるあ

        • 語彙を増やす〜『日本語シソーラス』のススメ〜

          1. 問題の所在:難しい「語彙の増やし方」 言葉というのはいわば「窓」である。われわれは言葉を通してしか世界を知覚することができない。 したがって、語彙というのは、自身が世界を知覚する解像度に直結する。 ただ「増える」のではなく、「微増」なのか「倍増」なのか、はたまた「急増」なのか「漸増」なのか、語彙が豊富であれば同じ現象でも端的な言葉でより解像度の高い表現をすることができる。 「敢えて多くの語彙を持たないことで類い稀なる芸術表現ができるアーティスト」とかではない限り、語彙は

          Wikipediaの「詭弁」のページがおもろい

          1. 問題の所在:重要な割には軽視されがちな「縦のロジック」最初に結論言っておくと、これね。 はい。で、似非ビジネスマンが大好きな言葉の1つに「ロジカルシンキング」というものがありますよね? ロジカルシンキングにまつわる単語として最も人口に膾炙しているものがたぶん「MECE」というやつ。社内研修とかで1回は聞いたことあるでしょ皆さん。 ただ、MECEなだけではロジカルシンキングとは言えないってことをわかってる人、意外に少ないんじゃないかなと思う。「ロジカルシンキング」でグ

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          因果性に重きを置いた「ガクチカ」を書くとどうなりそうか

          【1. 問題の所在〜ESには擬似相関が多い?〜】 "エントリシートにおける「ガクチカ」(=学生時代に力を入れたこと)には擬似相関が散見される" と言うエントリを見かけた。擬似相関と呼ぶかは置いておいて、「まぁたしかにそうだな」と思う点もある。 すなわち、ESには「●●という施策を実行し、▲▲という効果がありました」と自分の頑張りによる効果を主張するものが多いが、「それってほんまにお前のおかげなん?」ということである。 思考実験として、ガクチカにおいて因果関係をきちんと証明

          因果性に重きを置いた「ガクチカ」を書くとどうなりそうか

          一次情報を探す旅① 「へぇ、あんたもナナって言うんだ」

          【1. 問題の所在】 自分がこの世で1番嫌いな人間は、「そうだ 京都、行こう。」を正しく引用しない奴である。 この手の人間は結構多い。「そうだ京都へ行こう。」と勝手に「へ」を補ったり、「そうだ、京都行こう。」と、句読点の位置が違ったり。 「そうだ」の後に読点を置かない。京都の後に読点を置く。余計は助詞を入れない。…すべてが計算されつくした美学なのに、ちょっと京都行きたくなっただけで適当に引用するやつが多すぎる。許せない。 ところが、この怒りはブーメランとなって自分に返っ

          一次情報を探す旅① 「へぇ、あんたもナナって言うんだ」

          色覚異常への配慮~赤と緑を一緒に使うなハゲタコ~

          【1.問題の所在~想像力の欠如~】職業柄、他人が作った資料を見る機会が多い。「他人」というのも多岐にわたる。先輩であったり上司であったり、クライアントの部長、社員、そして”過去の自分”も。 こうした「他人」の資料を眺めていると、最も体系化されていない、個人による分散が最も大きい資料作成のルールの1つに「色遣い」があると感じる。色遣いには統一されたルールはない(会社の資料であれば各々のコーポレートカラーが基調となっているはず)し、基本的には自由でよいと思っているが、悪手について

          色覚異常への配慮~赤と緑を一緒に使うなハゲタコ~

          箇条書きの記号は大きい順に使う~伝えたいなら「視線誘導」する~

          【1.問題の所在 ~箇条書き百鬼夜行~】職業柄、非常に多くの人の資料を見る機会がある。資料を構成する様々な要素の中で、個人による分散が最も大きいのが「色遣い」と「箇条書きの記号」だと感じる。これは、①体系的に学ぶ機会が少ない、②資料の内容に比べ些末であり指摘される機会が少ない(あまりにもひどい場合を除く)、の2つが理由と考えられる。 完成した資料を眺めるだけなら「人には人の箇条書き」と割り切って傍観すればいいのだが、資料パッケージを分担して作成する場合、箇条書きの記号がそろ

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          「に鑑み」vs「を鑑み」問題~辞書を引けハゲタコ~

          【1.問題の所在】「〇〇を鑑みると」という使い方は誤用であり、「〇〇に鑑みると」が正しいのだ、とドヤ顔で言ってくる奴がいまだに一定数存在する。 これを指摘してくる奴はなぜか皆、自分の知識が合ってると確信しており、95%くらいの確率でドヤ顔である。 【2.結論】辞書にはどっちの用例も載っている。したがって、どちらの用法も正しい。 なぜ間違いを指摘してくる奴は皆、辞書を1回も引いてないのに自分の知識が正しいと確信しているのだろうか。 辞書を引いたことがないのに他人の間違いを

          「に鑑み」vs「を鑑み」問題~辞書を引けハゲタコ~

          「VLOOKUP」<「INDEX×MATCH」の理由をちゃんと説明している記事が少なすぎる~ちゃんと使ったことないのに記事書くなハゲタコ~

          【1.問題の所在】多くのExcel入門本の最後のほうにはだいたいVLOOKUP関数が登場し、VLOOKUPを覚えればとりあえず”初級編クリア”といった風潮がある。 ex.『たった1日で即戦力になるExcelの教科書』『神速Excel』他多数 ※ちなみに『神速Excel』は内容・装丁ともにめちゃくちゃいい本。 しかし、VLOOKUPは不便&遅いだけなので、VLOOKUPを覚えたらすぐに忘れてINDEX×MATCH関数に移行してほしい。 INDEX×MATCH関数を紹介してい

          「VLOOKUP」<「INDEX×MATCH」の理由をちゃんと説明している記事が少なすぎる~ちゃんと使ったことないのに記事書くなハゲタコ~

          注釈の違和感~※や*って、どこで習ったっけ?~

          【1.問題の所在~統一ルールの不在~】”ビジネスマン”が作る資料の注釈には「※」や「*」が多く使われる。 一方で、アカデミックライティングの世界では基本的に「数字のみ」もしくは「括弧つきの数字」とすることがガイドラインで定められていることが大半で、「※や*をつけましょう」というガイドラインは見たことがない。 では逆に、「ビジネスシーンでは、注釈は※や*を使いましょう」というガイドラインのようなものがあるかというとそうでもない。 「※」や「*」は出所不明の謎ルールであるというの

          注釈の違和感~※や*って、どこで習ったっけ?~