Defの強度を上げたい【バスケでエコロジカル・アプローチ】
私が実際の練習で行っているエコロジカル・アプローチ的なゲームのルール設定を紹介していくシリーズ。今回は「Defの強度を上げたい」というチームの課題に対してアプローチするルール設定を紹介したい。
シーズンを通して使える、私の最もお気に入りのルール設定の1つだ。
Def強度の重要性
どれだけ素晴らしいOff戦術を用意しても、高い強度(インテンシティ)のDefに対応できなければ意味がない。フィジカル、コンディショニングのレベル、及びその発揮が伴わなければ意味がなく、普段の練習から強度の高い中で練習を行う必要がある。
逆に、どれだけ素晴らしいDef戦術を用意しても、実行時の身体的な強度がなければ絵に描いた餅である。相手Defの強度が上がった際に何もできなくなるというようなことは、特に育成年代をはじめ、多くのカテゴリで見られるのではないだろうか。
自チーム内の練習で、どれだけ高い強度のDefを実行できるかがチームの重要な課題になる。
Defの強度とは
「Defの強度=タイトなプレッシャーを与え続けられること」
この記事では便宜的にこのように考えることにする。ざっくりプレッシャーdefのことである。
バスケットボールは駆け引きのスポーツなので、常にタイトな0距離のDefが常に正義だとは思わない。が、それが「できない」ことと、「できる能力があって駆け引きとしてやらない」ことは異なる。必要なときに「できる」ようになることが重要だ。
また、(マッチアップやローテーションの工夫といった)「戦術的な強度」という概念もあるだろうが、それは前述の通り身体的な強度が土台として必要である。戦術的な部分は他の記事に譲り、今回は「身体的な強度」について考える。
強度に必要なもの
さて、その身体的な強度について3つほど段階があるだろう。
基礎的な「フィジカル・コンディショニングの獲得」(心肺、筋力、フットワーク)
練習やゲームでの「発揮・実践」
上記の継続と習慣化による「アイデンティティの形成」
とくに2つ目の発揮に壁がある。1と3は別の記事に譲るとして、今回は2の「発揮・実践」の要素について考えたい。
強度の発揮を妨げるもの
少なくとも部活動など「勝ちを目指している」チームにおいて、「Defは緩くてもいいよ」というコーチはいないのではないだろうか。にも関わらず、Defの身体的強度が上がらないことに悩んでいるチームは多い。
コーチが求めているにも関わらず、なぜそのようなことが起こるのだろうか。言い換えれば、強度の高いDefの「発揮を妨げているもの」は何だろうか。
私が見てきた範囲で、大きく以下の2パターンがあった。
そもそも強度が足りていないと認識できていない
(個人、チームとして)抜かれたときの対応に自信がない、のでプレッシャーをかけることを躊躇う
1つ目はそもそも更に強度を高めなければならないということを認識できていない状況である。
育成年代など緩いdefでも相手がスコアできない、Shotを決めきれないレベルに多い。Defの強度不足が、失点という結果に繋がらず、その結果として現状のDefで十分だと認識してしまうからだ。
2つ目は1つ目とは違い、「プレッシャーをかけなければいけないのはわかるが、抜かれることが怖くて詰められない」という状況だ。この「躊躇い」状況へのアプローチは別途紹介したい。
Def強度にアプローチするルール設定
そのような状況のなかで、身体的強度の高いDefの実践を促すためのルール設定を紹介したい。
それは、1on1~5on5のドリルにおいて、
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