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スポーツをするには不完全さを受け入れなければならない

スポーツをするには不完全さを受け入れなければならない、という話。

タイトルの通りで終わり、という話だが、もう少し言葉にしてみる。

スポーツにおいてミスや負けといったものが不可分なものとして現れる。
それはある意味で自分や チームの不完全さということができる。

失敗や負けといった「不完全さ」。往々にしてそこにアレルギーを感じる選手は多い。
これまでにコーチしてきた選手の中で、自分ができないことや負けが濃厚になった途端に嫌になってしまう選手が思い浮かぶのではないだろうか。


その背景にあるもの

背景に何があるのかまではまだ整理できていないが、それまでに経験してきた指導や教育の影響は間違いなくあるだろう。

勝利至上主義的な言動、結果以外に価値を置かない指導者。

「下手なんだから変なことするな」
きっとどこかの体育館で聞いたことのある言葉ではないだろうか。

こんな言葉が、「ミスをしてはいけない=不完全ではいけない」を作っているのではないだろうか。


マインドセット

選手本人に視点を向けてみると、不完全さを受け入れられるかどうか、これに関係しているものとして「マインドセット」があるだろう。

マインドセットとは、一言でいえば、その人のモノの見方や考え方、価値観などのことを指す。

この本では Fixed mindset と Growth mindset の2つに大別されるという。

固定マインドセットでは、自分の能力は変わらない(固定されている)と考える。そのため、ミスや失敗は自分の否定につながるため、失敗を避けようとする。

対して成長マインドセットでは、自分の能力は成長していくと考える。そのためん、ミスや失敗は現時点での結果でしかなく、将来的には改善できると考える。

ミスしたり、敵わない相手と対峙したときに踏ん張れない選手は、おそらくこの固定マインドセットが発揮されている状態だろう。


コーチは何をすべきか

選手たちにどうすれば成長マインドセットへの移行を促し、不完全さを受け入れることを伝えられるのか。

成長を見つけて伝えてあげること、結果以外の価値を見つけて伝えてあげること。

ここまで述べてきたことを踏まえれば、コーチとしてできることはこの2つだろう。

そして何より「不完全な」1人の人間同士として関わること。

そんな関わりを通して、少しずつ成長マインドセットを発揮できるようになっていくのだろうと思う。そしてそれは選手たちが不完全な自分を受け入れることに繋がるはずだ。

不完全な自分を受けいれて、それでも練習すること、そこに楽しさがあること、ひいてはそれこそが人生であること。

そんなことを伝えていけるコーチでありたい。

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