2023/2/12学歴の暴力新メンバー加入がもたらすもの
2023/2/12に旧帝ハニーに以下の二人が新メンバーとして加入することが発表された。
・京都大学文学部卒 あろえ あろさん
・九州大学工学部卒 りりり かりさん
そして京大出身のあろえさん加入により、公約(?)通り「学歴の暴力」に再改称されることとなった。
新メンバーの加入について、公開されるまではプラスの感情もマイナスの感情もなかったというのが正直なところで、あーそういえば募集してたしようやく加入するんだくらいの感覚で眺めていたのだが、4人そろったビジュアルが公開されたのを見たときに「これ面白くなりそう!!」と直感的に思った。
アイドルグループに卒業/加入は日常茶飯事であるが、(一般論として)新メンバーの追加がファンの間で最初から全面的に好意的にみられることは稀ではないだろうか。それはおそらく、自分たちがこれまで好きだったものが形を変えてしまうような気がしてなんとなく面白くない、そんな感情であろう。
一方でそれらは多くの場合良い意味で杞憂におわる。アイドルの新メンバーなんていうのは言ってしまえば加入時点では「ちょっとかわいいだけのほぼ一般人」でしかなく、今までのグループのカラーを変えるだけのキャラクターをいきなり発揮することなんて良くも悪くもできっこない。少しずつキャラが見えてきた頃にはファンの側も受け入れる心の準備が整い自然となじんでいる、なんてケースが多い様に思う。
ではがくぼの場合はどうか。今回の新メンバー2人がどんなキャラクターなのかはまだほとんど情報がないが、1つだけ明確になっている情報がある。言うまでもなく学歴である。
これはただの「レッド担当とブルー担当の新メンバー加入」ではなく「京大文学部卒と九大工学部卒の新メンバー加入」なのである。
学歴をモチーフにしたアイドルにとって学歴が持つ意味は言うまでもなく大きい。なにせ京大出身メンバーは加入しただけでグループ名をさえ変えてしまうのだ。良くも悪くも一般的なアイドルグループにおける新メンバー加入とは既存のグループカラーに与える影響が違ってくる。
(分かりやすく極論をいうと、もし今回の新メンが「東大2人」だったとして東大3人名大1人という構成になっていたとしたら、今我々が抱いている印象は今と全く違うものになっていただろう)
個人的には発表当日は「九大」という選択肢があまりに意外でツイッターでもそこにばかり触れてしまったが、改めて冷静に考えてみて、今回の新メンバー追加がグループに与える影響として(前述の学歴の暴力への再改称を除けば)主に以下の3つが考えられるかと思う。
①初の文系メンバーの加入
②東名阪地区以外の大学出身メンバーの加入
③人数の増加による学歴の暴力性の増加
これらについて少し分析してみたい。
①初の文系メンバーの加入
卒業生を含めた既存メンバーは全員理系で、今回京大文学部出身のあろえさんが加入したことで初の文系メンバーの誕生となった。
「高学歴女子の悲哀!キラキラした私文女子に敵わない!!」とか言われても、いやあなたたち理系だし学部では姫扱いでしょ正直めっちゃモテたでしょ、というツッコミをこれまで何度飲み込んだだろうか。しかし文系女子であればその主張に"正当性"がある。ぜひとも同志社心理学部あたりを仮想敵として超高学歴女子の悲哀を歌ってほしいものだ。(まあこのあたりの設定はえもりさん結婚発表あたりから全体的にかなりなあなあになっている気もするが)
他に思い出すこととして、11月のがくぼ初ワンマンの時、「えもりえもからの挑戦状」として題された問題は理系色が強すぎて正直全く何も思いつかなかった(ある程度の基礎知識がないとネタ回答に走ることさえできないとその時思い知った)。もちろんその分からなさ具合がクイズ番組の頂上決戦的な面白みがあったのだが、あの類の企画がまたあるとしたら文系ヲタクにも活躍の余地をぜひとも与えてほしい。
②東名阪地区以外の大学出身メンバーの加入
これは自分が名古屋出身だからそう見えてしまう部分もあると思うが、東名阪を離れると一気に「地方」感がでるように思う。九大出身のかーりーが加入したことで、にわかにローカルアイドルみを帯びたように感じる。
彼女の現在の生活圏内はまだ明らかになっていないとはいえ福岡に住んでる訳でなさそうだが、九大出身者がいることで福岡のイベントに呼ばれる/出演することへの諸々のハードルは一気に下がったのではないだろうか。
九大のある福岡はHKT48をはじめとしたメジャー所をはじめとし、大手資本外でもLinQ(元メンバーには九大出身者がいる!)をはじめとしたいわゆる「アイドル戦国時代」を彩ったアイドルが多数存在するアイドルシーンが活発な地域である。遠征大好きヲタクとしては福岡遠征を期待せずにはいられない。
また、地方名を冠するいわゆる旧帝二期(東北、九州、北海道)のメンバーが加入した事により、一期(東大京大)と二期(九大)と三期(名大)が全て揃ったとこととなる。改名したばかりではあるが、「旧帝ハニー」感も増していることが興味深い。
③人数の増加による学歴の暴力性の増加
これは単純に絵面の問題かもしれないが、2人より3人、3人より4人の方が「圧」が強い。2人だと「たまたま高学歴女子が2人で集まってアイドルやってます」という感じだが、4人揃うと「高学歴で揃えましたが何か??」という感じである。
そもそもなぜ「学歴の暴力」というアイドルがネタとして成立するのかといえば、そもそも旧帝大は女子が少なく、かつわざわざアイドルをやりたいと思う人が少なくて希少価値のある存在だからである。旧帝女子がこぞってアイドルやりたい!!!となったら学歴は暴力でなくなってしまう。
希少価値の高さは数量が暴力性を帯びることと直結する。アイドルグループとしては人数が多ければ良いということでは必ずしもないが、こと学歴の暴力においては人数が学歴の暴力性、つまりコンセプトに大きな影響を与える。人数が増えたことによる「迫力」をここまで感じたという経験が今までなかったので新鮮であった。
……
現時点では新メンバーのパーソナリティ情報についてはプロフィール画像の内容くらいしかなく、無理やりそこを分析しても浅いものしかならないので、あえて「学歴」という上っ面だけであーだこーだ言わせてもらった。逆に言えばパーソナリティが分かってくるにつれ、学歴の占める要素が相対的に低下していくので、このタイミングでやらせてもらうのが正しかったかもしれない。
正直に言えばここ最近のなつぴさんあずきさんの二人旧帝ハニーに若干の停滞感を感じていたことも事実である。あろえさんもかーりーもまだまだ未知数の存在ではあるが、旧帝大卒業して社会人やりながらもわざわざアイドルやろう等という非王道ルートを歩こうという人たちなので、一癖も二癖もある人たちに違いない(※誉め言葉です)。これから大いにかき乱してもらいたい。
※ 個人的にはあろえさんの「ごく普通」「運がいいだけの凡人」を前面に押し出すスタイルが気になっている。「運が良かったので京大入りました」という言い方は少し間違えるとものすごい嫌味になりかねず、「勉強できるくらいしか取り柄がない」くらいに言っといたほうがとりあえずは安牌だからだ。あえてその姿勢を打ち出していくことは逆にチャレンジングな様にも思える。今後の立ち回りから目が離せない。