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虫が弱い

アメリカで生活していて気付くことがいくつかありました。

その中のひとつ。「(人間の生活空間の)虫が弱い」ということ。

◆ハエを倒したルームメイト

8月末の新学期が始まる一か月前、ジョージアテックの語学部が実施する留学生向け英語講座に出席するため、家族に先駆けて単身アトランタ入りしました。

住まいは学生寮で、クリスとジャックというルームメイトと同居。
クリスは中国人、ジャックは台湾人です。
彼らの本名はアメリカ人には発音が難しいらしく、ニックネームを付けるのが一般的とのこと。

彼らとの一か月半の生活もなかなか楽しかったのですが、その話はまた別の機会に。

今回はハエの話。

大きめのハエが部屋に入ってきて、飛び回っている夏の暑い日のこと。
クリスがイライラして、ティッシュを丸めてハエを追いかけ始めました。
僕は経験上、「無駄だからやめとけ」と諭しました。
しかしハエの動きが鈍いのか、クリスの中国四千年の動きが俊敏なのか、見事にハエを叩き潰したのです。

その時は「中国人はすげえな。」と思ったくらいでした。

◆アパートでのハエ

家族もアメリカ入りし、アパートに越した後のこと。

大きめのハエがブンブン部屋を飛んでいました。

この時には何となく気づいていたのですが、どうやらアメリカのハエは動きが鈍いらしい。

日本ではハエたたきでもなかなか倒せないハエが、いとも簡単に成敗できたのです。

そして確信しました。    「アメリカの虫は弱い」

◆虫の弱さに見る思想の違い

よくよく考えてみると、アメリカの人間が生活している範囲にはあまり虫が居ない。それは、徹底した「ペストコントール」が成されているから。
ペストコントロールは、害虫駆除で、アパートや一軒家でも管理費に入っており、一か月に1回くらい、バイトの兄ちゃん的な若者がクスリを撒いている。
これは私見ですが、アメリカ人は人間が住む環境は徹底的に人間が住み易い様に作り変えているらしく、だから虫が少ないし、居たとしてもかなり弱いんじゃないだろうか。
そして、人間が住まない環境は逆に徹底気に保護していて、全米にはいろいろな自然保護区がある。

つまり、「人間界」と「自然界」をきっぱりと分ける思想で、自然は支配して利用、排除、or 保護するものなんだという考えが根本にあるのかな、と思いました。

自然を畏れ敬い、共に生きようとする日本人とは根本的に違うなぁ、と感じました。




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