【ひきこもごも】小3〜小4
約20年位前、俺は小学3年生にして不登校児だった。
それもヒキコモリではなくて朝に家を出て学校には行かずに少し家から遠くの神社やコンビニで一人ボーッとしたりというエキセントリックな不登校児だった。
よく覚えているのはセブンイレブンで何度もナルトの十巻をずっと繰り返し立ち読みしていた事と、腹が減りすぎてその店でチョコスティックパンを万引きした事。
今にして思えば一度も警察に捕まったり店員や大人に声を掛けられたりしなかった事に凄く疑問を覚えるが、土地柄や明らかに訳ありな子供を見て誰も関わりたくなかったのではないかと想像する。
一度だけ道を歩いてて見知らぬお婆ちゃんに五百円だか千円だかを貰ったような気がしたけど別の記憶と混ざっているような気もする。
人の親切なんてものは基本的に忘れてしまうものなのだろう。
どうしてあの頃学校に行きたくなかったのか理由はハッキリと覚えていないが、予想としては担任の先生が物凄く怖かった事や宿題を全くやらないし朝も寝坊しがちな子供だった事が原因だろう。
後は書いてて思い出したけど低学年のころによく遊んでいた友達と従姉妹の兄妹が転校したり中学生に上がってしまって同年代の子供との遊び方が分からなかった事も影響してるのかもしれない。
そんなこんなで朝家を出て神社とコンビニに行き学校が終わる頃に家に帰る生活を繰り返してた。
母親にはバレていなかったと思う。
実家の居酒屋で夜遅くまで一人で切り盛りしていた母親は昼過ぎまで寝ていて基本的に電話に出なかった為、学校も家に連絡する事は殆ど無かったらしい。
この不登校期間は四年生に上がるまでに終わったように覚えているがどうしてかは覚えていない。
これも予想ではあるが、全く行かない訳ではなくどうしてもお腹が空いていた場合には何度か学校に行っていたのでその内友達もできて学校に行きたくなるようになったものかと思っている。
今思えばこの頃の体験が今に至るまでの単独行動を好む原因となっている気がする。
中学生に上がってからの長いヒキコモリ期間もこの時の体験があったからこそあまり寂しさを感じなかったのかもしれない。