円高・円安の仕組み
どうもボンドです。
本日のテーマは『円高円安』。
ほぼ毎日ニュース番組の最後に流れておりますが、私史上最も興味がないコンテンツ堂々の第1位です。
キャスターが「今日の為替市場はドルの売りが相次ぎ円高となりました。」みたいなことを言ってるのをよく耳にしますが、円高とか言って1万円札が2万円札になるわけでもないし、次の日は円安になったりして報道に一貫性がないし、世界の7不思議の一つと言っても過言ではない意味不明さ・・・
とはいえ明日の天気並みに毎日報道されているということは、きっと私たちの生活に密接なに関係があるんだろう…ということで、本日はこの『円高円安』について勉強していきたいと思います。
為替の歴史
さて、早速『円高円安』の話をしていきたいのですが、どうやらそのためには『為替』という概念を理解しなければならないようなので、まずは『為替』についてお話ししていきます。
遠く離れた者同士が取引をした際に、現金を輸送しなくてもお金を受け取ることができる仕組みのことです。
日本ではなんと鎌倉時代から、この『為替』という概念が存在していたそうで、江戸時代になる頃には世界で最も優れた送金システムに進化を遂げています。
例えば、江戸の商人が大阪の商人から米を買ったとして、売った側が大阪から江戸まで米を運ぶのは問題ないですが、買った側が江戸から大阪まで現金を運ぶのはさすがに危険ということで、『手形』と呼ばれる証明書を発行し、『両替商』にて手形の証明を行うことで、安全にお金を手に入れることができるという仕組みです。
外国為替
この『為替』という概念をより進化させて、国同士で取引を行えるようにした仕組みを『外国為替』と呼んでおります。
つまり江戸と大阪か、日本とアメリカか、という違いです。
ただし、海外の取引は国内の取引と大きく異なる点がございます。
それは、通貨の単位が違うということです。
日本だと円、アメリカだとドル、ヨーロッパだとユーロ、といった具合ですね。
この通貨の単位が国や地域ごとに異なることによって、なんと商品の価格が変動してしまうのです。
例えば、世界中どこにでもあるマクドナルドで、先輩に奢ってもらえるなら絶対選んじゃうメニュー第1位『ビックマック』(ボンドの個人的な意見です)を基準に国別の価格を調べてみると、日本では390円ですが、アメリカだと5.71ドル。ヨーロッパだと4.21ユーロ、となります。
これを円に変換すると、5.71ドルは約600円、4.21ユーロは約500円、という価格になります。
つまり、どこでもドアで散歩がてらアメリカに行ってビックマックを買ったら、同じ商品なのに倍近くお金を払わなければならないうことです。
逆にアメリカ人が日本に散歩に来てビックマックを買ったら、半額近い金額で買えてしまうというアメリカンドリームが実現する訳です。
外国為替市場
このように『外国為替』では通貨の種類によって商品の価値が変わるわけですが、ここで注意しなければならないことは、変わったのはあくまでも値段であって商品ではないということです。
つまり『外国為替』において、商品の価格変動の幅を決めているのは、商品の価値もさることながら、通貨の価値も多分に影響しているということです。
そもそも通貨とは先ほども説明したように、円・ドル・ユーロのように国や地域によって使用できる種類が異なります。
このままの基準で取引を行なってしまうと、アメリカで買ったものを日本で販売する際にドルで販売することになります。
しかし、普段ドルを持ち歩いてる日本人なんて金持ちか詐欺師くらいなもんです。
そこでドルで買った商品を円に変換した際に、価格がどう変動するかを事前に決めておく必要があります。
その割合を決める場所を『外国為替市場』と呼んでいます。
この市場で通貨の変換率(一般的には『レート』と呼ばれており以降レートと呼ばせて頂きます。)を定めることによって、先程例に挙げたビッグマックのように、国によって値段が変わるという現象が起こるわけです。
ちなみに、『市場』といっておりますが、豊洲市場のような特定の区域が存在するわけではなく、コンピュータや電話回線で繋がれたネットワーク全般を『市場』と呼んでいるので誤解なさらぬように。
レート
では次に『変換率』、つまり『レート』を決める方法について解説していきます。
ボクシングだったらパンチ、テコンドーだったらキック、のように『外国為替市場』にも取引のルールが設けられております。
その手法とは『売買』です。
もう少し詳しく説明すると、円を売ってドルを買ったり、ユーロを売って円を買ったり、といった具合に通貨そのものを売ったり買ったりすることでレートが変動していきます。
例えば、円を10,000円売って同額分のドルを買うとか、ユーロを100ユーロ売って同額分の円を買うというやりとりです。
それが至る所で繰り返されるとどうなるかというと、世界に流通している通貨の量に影響を与えます。
特定の通貨の流通量が少なくなれば希少価値が上がり、流通量が多くなれば希少価値は下がっていきます。
イメージとしては、フリマで最新ゲーム機を売ってるとして、最初の頃は品薄状態のため希少価値が高く高額で取引されますが、出店者が増えてくると希少価値が下がり金額も下がっていきます。
では、フリマ上でゲーム機の価格を上げたかったらどうすればいいか?簡単です。市場にあるゲーム機の数を減らせばいいのです。
つまり他の出店者のゲーム機を買ってしまえば、相対的にその市場にあるゲーム機の価値は上昇するわけです。
つまり円の買いが続けば(=他の通貨を売る)円の価値は上がるし、円の売りが続けば(=他の通貨を買う)円の価値は下がるというわけです。
円高・円安の原理
ここまで、離れた地域で取引をする『為替』、為替の売買を国同士で行う『外国為替』、その売買によって変動する『レート』、について解説してきました。
正直頭パンクしそうですが、やっと円高円安を解説できるところまで参りましたので、もう少し頑張っていこうと思います。
先ほどの『レート』の説明で、円が買われれば円の希少価値が上がり、円が売られれば円の希少価値が下がると説明してきましたが、この現象こそ『円高』または『円安』を表していることになります。
ですが、このままの説明では本当に意味が分からないと思うのでレートを1ドル=100円として解説していこうと思います。
まず円高になるケースですが、市場にある円の希少性が高まることで円高になるため、円を買ってドルを売るという『売買』が行われることになります。
レートの法則として対象となる通貨は必ず相反する動きをするため、円が高くなるということは必然的にドルは安くなります。
従って、1ドルを100円で交換できていたレートは、1ドル99円、98円、97円とより安くドルを手に入れることができるようになっていきます。
つまりドル安です。
ドル安になったということは、…そうです、円高になったということです。
もう少し分かりやすく説明するために、ドルをゲーム機に置き換えて考えてみましょう。
元々の基軸をゲーム機=50,000円として、ゲーム機=40,000円になった場合とゲーム機=60,000円になった場合を想定すると、ゲーム機を40,000円で買える場合はゲーム機が安くなったということになります。
つまり、円の価値が高くなったということです。
反対に、ゲーム機を60,000円で買える場合はゲーム機が高くなったということになります。つまり円の価値が安くなったということです。
これをドルに戻すと、40,000円の場合はドル安円高、60,000円の場合はドル高円安になるというのがわかると思います。
円高・円安の影響
そして、最も重要なポイントが、この『円高』や『円安』が私たちの生活にどのような影響を与えるのか、ということなので、ここからは私たちの実生活への影響について考えていきます。
まず円高ですが、国内の景気回復や金利上昇が続くと、市場は「日本の円は安全そうだから買おう」という動きになります。
買うということは円の価値が上がるということなので、必然的にドルの価値は下がります。
つまり、『円高ドル安』です。
ドルが安いということなので、輸入品が安くなります。
つまり、日本で売っている海外製品が安くなりよく売れるようになります。
また、円の価値が高いので、円をドルに変換すると得をします。
ですから、海外に行くとたくさん買い物ができます。
反対に、円が高いということは海外で売っている日本製品が高くなるので売れなくなって、輸出を行なっている会社の業績は下がります。
また、ドルの価値が低いので、ドルを円に変換すると損をしてしまいます。
ですから、海外から日本に来る人の数が減ってしまいます。これが、円高ドル安の際に生じる主な影響です。
円安の場合は円高と逆になるので、国内の景気悪化や金利低下が続くと、市場は「日本の円は危険そうだから売ろう」という動きになり『円安ドル高』となります。
ドルが高いということなので、輸入品が高くなります。
つまり、日本で売っている海外製品が高くなりあまり売れなくなってしまいます。
また円の価値が低いので、円をドルに変換すると損をしてしまいます。
ですから、海外で買い物をする機会は減っていきます。
反対に、円が安いということは海外で売っている日本製品が安くなりよく売れるため、輸出を行なっている会社の業績が上がります。
また、ドルの価値が高いので、ドルをを円に変換すると得します。ですから、海外から日本に来る人の数が増えていきます。
家族への影響
仮に、大手自動車メーカーに勤務し月に2回残業と嘘ついてキャバクラにいくのが生き甲斐のポカシ(父)。旦那が自動車を売って稼いできたお金をホットヨガとアーユルヴェーダに注ぎ込むゼニコ(母)。女優になるためティックトックで動画を投稿しているが、再生回数が伸びなくモノマネと変顔で数を稼ぎに行くアホミ(娘)。
という極々一般的な3人家族をモデルとし、日本経済が円高ドル安になっていく際の変化を例として見ていきます。
まず、父であるポカシに関する影響を挙げると、円高なので輸出品が売れません。ポカシの勤務先は大手自動車メーカーなので海外での販売もかなりの量を占めています。そのため、会社の業績が低下しボーナスがカットされてしまいます。
家族会議を開き家計のコストカットを言及しますが、議長を務める妻ゼニコにあっさり要求を撤回され、逆にポカシのお小遣いを減らされてしまいます。
ポカシは車で絶叫します。これは魂の叫びです。オレが稼いできたのに…悔しい。情けない。そして、ポカシはスマホを取り出しキャバクラの予定を月2回から1回に変更するのでした。
次に、家族会議を制しなんとかホットヨガとアーユルヴェーダの投資金を死守したゼニコです。
車で泣いている夫を他所目に高笑いしていると、近くのコストコでセールをやっているというメルマガが届いたので翌日行ってみることに。初めてのコストコです。
会費なる謎のお金を取られて若干不機嫌になりましたが、一歩足を踏み入れてゼニコは驚きます。なんとまぁ海外製品の安いこと。普段は低カロリーな和食中心の生活をしているゼニコを最も驚かせたのはピザです。美味すぎる!しかもデカい!そして何より安い!これを機にゼニコは朝食をご飯からピザに切り替えることにしました。
最後は、朝食が謎にピザになって毎日胃がもたれている娘のアホミです。アホミはティックトックで有名になって女優になるのが夢ですが、なかなか再生回数が伸びなくて悩んでいます。なんかいいネタないかなぁと街を歩いていたら『グアム旅行が安い』というポスターを見つけます。…グアム。これだ。
海外の話はネタになるぞ。光明を見つけたアホミはパスポートを取り、親の承諾を得てグアムへ飛びます。すると、そこには溢れんばかりの自然が広がっています。アホミは気づきます。環境問題に真剣に取り組もう。その日からアホミの夢は国連で働くことになりました。
と、こういった感じで身近な変化がいくつも起こることになります。
まとめ
ということで、今回は『円高円安』について調べさせていただきました。いやぁ、経済って難しいですね。調べていて分かりましたが、これ高校の国際経済の授業だったら入口のインターホン鳴らしたくらいのレベルみたいです。
まだ扉も開けていないという。とはいうものの、この記事がきっかけで、あのニュースキャスターが唱える「今日の為替市場はドルの売りが相次ぎ円高となりました。」という呪文を、少しでも解読できる人が増えてくれれば、インターホンを鳴らした価値はあると思うので、どうぞ今回の動画を皆様の実生活にお役立て頂ければ幸いです。
また、メンバー5人とはいえ素人同然の我々が3世代ほど旧型のCPUをフル稼働させて調査を行なっているため、動画のクォリティーも去ることながら知識の面で不足や間違いがある恐れもございます。
そのため、大変図々しいお願いではありますが、コメント欄にて皆様の叡智をお借りしウィキペディアのように知識の補完をしていければ幸いかと思っおりますので、我々と共に学びを深めていくというスタンスでご感想やご意見お待ちしております。
週に1回くらいのペースで記事の投稿していければと思っておりますので、また来週お会いしましょう。
最後までご視聴ありがとうございました。