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仮想通貨の相続には要注意(相続税+所得税で110%)
Xにて仮想通貨の相続税に関するポストが話題となりました。
ワーストケースだと相続税55%+所得税55%で、むしろ赤字になってしまう、という話題です。
https://twitter.com/Jeanscpa/status/1730486783736184862
仮想通貨は雑所得なので取得費加算の特例を受けられないから、相続税最大55%に、所得税・住民税が最大55%かかるので最大110%税率になります。
— 村上ゆういち@魔界の税理士 (@Jeanscpa) December 1, 2023
また、相続放棄する場合は、一部の資産のみの相続放棄はできず、仮想通貨を含むすべての資産(土地建物現金株式)を相続放棄になります。 https://t.co/WGc2hbshlW
※見ていた限り、この魔界の税理士さんが火付け役だったと思います。
相続税の最高税率が55%で、相続した後の仮想通貨を売却した時にも所得税が最大55%かかるので、評価額の100%を超える税金を払う可能性が出てくるらしいのです。
最初は冗談だろうと思っていたのですが、国税庁のFAQを確認しても、事実のようです。
どういった理屈から、このような理不尽な税務となるのかが紹介します。
なぜ相続税と所得税の両方が課税されるのか
今回の話の焦点はここです。
普通考えると時価10億円の仮想通貨を相続して、10億円で売ったら相続税はかかるけれど、所得税はかかるとは思えません。(ここでの所得税は売却益にかかる税金のこと)
しかし、現在の税制では所得税までもがかかってしまいます。
株式や不動産では、「取得費加算の特例」という仕組みがあり、相続税として支払った額を取得額に追加することができます。
取得費加算の特例とは、相続で取得した土地や建物、株式などを売却したときの利益(譲渡所得)を計算する際に、取得費に相続税額のうちの一定金額を加えられる制度です。
しかし、仮想通貨にはこの制度が適用されません。
そのため、「仮想通貨の売却額-(死亡した方の)仮想通貨取得費用」が売却益となってしまうのです。
仮想通貨の売却益は雑所得なので、売却益が4千万円を超えたら所得税が55%かかってしまいます。
多額の仮想通貨であれば、相続税の支払いのために売却する他ありません。
しかし、売却したら所得税もかかってしまうわけです。
合計で約110%の税金がかかるので、最悪の場合は相続放棄する他ないという訳です。
(他の方のポストでもあったのですが、雑所得では昔からあるバグのようなものらしいです)
もちろん、判例がないので税務訴訟をすればどうなるか分かりません。というかこんな理不尽な状態を合法とは判断しないんじゃないですかね。