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お客様に叱られる

そのお客様は相当にご立腹で。
なんでも浴槽に髪の毛が落ちていたと。クレームをつけて清掃させたのに、翌日もその次の日も髪の毛が落ちていた、どうなってんだ?と。
注意を受けた時点で、チェッカー二人でインスペクションしたんですよ。浴室を中心に。だけど今度はカーテンを開けたら毛があった!とフロントと一緒に部屋まで呼びつけられて叱られました。

この季節、乾燥で静電気がひどくて埃や髪の毛がカーテンにくっつくんですよ。しばらくしてそれが落ちてくる。目の遠くなったおば(あ)ちゃんスタッフが、急かされて清掃してるんです。どうしても見落としが発生してしまいます。

髪の毛が落ちていたというのは100%こちらの落ち度です。反論はできません。そのうちにテレビの裏が埃だらけだとか、備品の位置を戻してないとか、どんどん要求がエスカレート。終いには、「上まで文句言ってやる!」「こっちは正月も仕事させられてイライラしてんだ!」などと言い出す始末。

…そんなことこっちには関係無いから。

こちらが反論できないのをわかっていて、ねちねちねちねち…。あー、これは八つ当たりというか憂さ晴らしでしょう。大クレーマー様です。
普段は宿泊客からのクレームはフロントが処理するので(それも申し訳ないけど)直接言われることがないのですが、今回のク○客はブロックできなかったようでフロントさんからも後で謝罪されました。

普通、ステイだったら閉まっているカーテンは開けない場合もあります。お客様の私物や動かされた備品には極力手を触れません。それをこのク○客は毎日アウト清掃以上の作業を要求してきました。清掃にも時間がかかるし、インスペクションにはフロントも入ってダブルチェックです。

一泊数千円のビジネスホテルですよ?痛々しいなあ。

何日かは態度が悪いとかなんだかんだ文句を言っていたそうですが、清掃した後に撮影をしていると伝えたらその後は何も言わなくなったそうです。…ひょっとしたら無料のアップグレードとか、クーポンをせしめるためにわざとこの客が毛をまいたんじゃないの?という疑惑も。実際、この世には厚顔無恥というか、面の皮が厚いというか(面が全部皮か?)(や○ざ?)、そういう輩がいるそうなので。
文句言いつつ延泊して結局半月ほど滞在していました。

似顔絵描こうかと思いましたが自重します。それに…あらら、いつの間にか〝お客様〟が〝ク○客〟になっておりました。失礼いたしました。おほほ。

二度と来んな。

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