楽しい歯医者さん
歯医者を選ぶ
わたしが歯医者を選ぶときは、腕がいいのは当然だけど、性格が優しく温厚な人がいいことを希望します。誰に希望するかって?それは知り合いの現役の歯科衛生さんに紹介してもらうのです。この情報源はは手っ取り早いし確実です。
お喋りな歯医者
現在通院している歯科医院も、こうして紹介してもらった一人でした。担当の歯医者さんは、噂通り温厚で優しい先生でしたが・・・実はおしゃべりな歯医者さんでした。
「口を開けて治療するのに、どうしたら世間話をするの?」聞く人は謎に思うでしょう。でも出来るのです。なんせ治療の主導権を握っているのは歯医者さんですので、スタッフも患者も先生のペースに従うのです。
類は友を呼ぶ
ある日、診察台での待ち時間がヒマなので、「飛雄馬、インドの星になれ!―インド版アニメ『巨人の星』誕生秘話」の本を読んでいました。すると先生がやってきて「いつも変な本を読んでいますね」と話しかけてきたことから始まりました。先生は本好きでアニメ脳という、わたしと非常に趣味が合うようです。
それ以来、先生はルパン、ガンダム、ヤマト、ドカベンやら、なにかとネタを振ってきます。わたしは話したいことは山々ですが、仕事の流れを中断される歯科衛生さんの視線が怖いので、話に集中はできません。スタッフさんに気を使いますが、雑談は楽しみです。
油断大敵
ある日、待合室でスマホを見て、診察を待っていました。診察台に登るとすぐに
「スマホ見るときに、メガネをずらして、半笑いしてるのは、不気味ですよ・・・」と嬉しそうに言うのです。どうやら受付の事務員さんの背後から、私を観察していたようでした。1歩、歯医者の敷地に足を踏み入れたら、油断大敵です。
言わぬが花
「たかのさんは変人ですよね。」ある日歯医者さんは真っ直ぐな目で、ストレートに言ってきました。さすがの私も面と向かって「変人」と言われたことはありません。言っときますが、私は変人ではありません。自称、雅な趣味人です。
「ぼくも変人だと良く言われるんです。同じですね!」と明るく言葉を続けるのです。類は友を呼ぶというのは、こういうものなのですね。やはり歯医者に行くのは楽しいです。
転ばぬ先の杖
わたしの歯は弱いので、80歳まで自分の歯が持つかどうかを聞きましたら「この歯では80歳で20本はかなり難しいですが、出来るだけ延命できるように頑張りましょう!」と励ましてくれました。この歯医者さんと出会って以来、8020を目標に定期検診とシュミテクトとウォーターピックで、歯を長く使えるように頑張っています。
明鏡止水
ある日、息子の歯のケアを相談してみました。すると「僕は学生時代、障害のある患者さんにうまく対応が出来ませんでした。ですから息子さんのこと、出来る限り頑張ってみます」と引き受けてくれました。いつになく真剣な目に見えました。
先生は息子にいつも以上にフレンドリーに対応してくれ、息子の好きなサッカーやルパン三世の話で息子の心を掴んでくれました。さらに面食いの息子対策のために若くて美人の衛生士さんを配備してくれまました。息子はすぐに歯医者さんが大好きになったようです。先生も息子と仲良しになれたと伝えてくれました。
息子は受診日には先生に見せるためにサッカーの本を持って行きます。電気歯磨きを導入し、毎回、歯磨き指導をしてもらいます。
障害者が地域でかかりつけ医を見つけることは難しい実情があります。息子は運良く歯医者さんと出会うことができたのです。本当にありがたいです。これも先生の人柄に尽きると思っています。だから変人と言われても、どってことありません。
次回のお楽しみ
治療までの隙間時間で「ガラスの仮面」は面白いという話になりました。先生は安達祐実のドラマ「ガラスの仮面」を知らないそうなので、次回の予約までに見ておくと張り切っていました。私も復習しておきます。