土方巽 1960 しずかな家-27/27
野毛山山頂公園からの眺め。
ここが土方巽と黄金町を巡る小さな旅の終点である。
居留区のあった山手地区が欧米人の屋敷町であったのに対し、野毛山は成功した日本人たちの住む場所であった。しかし関東大震災により壊滅的被害を受けた野毛山は、公園に生まれ変わった。その後陸軍と米軍による接収を経て、現在に至っている。
高度経済成長期以前は、この丘から港が見えたという。
函館、サンフランシスコ、マルセイユなど、港町といえば「坂の上から海が見える」ことが多い。しかし横浜にはそんな場所はない。かろうじて「港の見える丘公園」周辺から倉庫だらけの港が見えるだけである。