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生き方も音楽も、分類、区別、ジャンルに囚われるな!~SEKAI NO OWARI 「Habit」

「人は33歳までに音楽的嗜好が固まり、新しい音楽への出会いを止める傾向がある」という研究結果、ご存知ですか?

なるほど、私も1〜2年前まで「最近の若者の音楽はわからない」と、聴くことは殆どありませんでした。
それが、昨年の転職を機に、時間と心に余裕ができると「新しい音楽への出会いを求めて」若者の音楽も聴くように。

最初は「?」と思いながら聴いていましたが、徐々に「いいんじゃない?」となり、今では個性あふれる若者たちの音楽を、楽しむようになりました。

あいみょんのようにフォークっぽい、アコースティックなものもあれば、YOASOBIのような、デジタル機材を駆使した、今どきサウンド有り、
緑黄色社会のように、パワフルでエンタメ性の高いポップバンド、
昭和平成世代もすんなり聴ける、幅広い音楽性のOfficial髭男dism等々・・・多種多様。

そして今、楽しみにしている歌のひとつが、SEKAI NO OWARI(=セカオワ)が歌う「Habit」。大ヒットしているので、普段音楽を聴かない方も、ご存知でしょう。

2011年のメジャーデビュー以来、幅広い世代に支持されているセカオワ。
タイアップも多く、たれ流し状態(!)と言ってもいいほど、あらゆる媒体を通じて、彼らの音楽が私たちの耳に入ってきます。
しかし、以前は全く興味を持てず、自ら聴くことは無いだろう、と思っていたバンドでした。

理由は「ピエロのお面」や、ファンタジー・やさしさ等々の「独特の世界観」に、胡散臭さと照れくささを感じていたから、です。

しかし今では、テレビでセカオワが登場すると「!」と即反応。
「Habit」の魔訶不思議で、クセが強い世界観を楽しむ、という変わり様。

・・・ということで、今回はセカオワと「Habit」の”私的お気に入りポイント”を紹介。(テレビの前で楽しんでいる、私の頭の中のひとり言です)

「Habit」のイントロは、Nakajinのギターからスタート。
ちょっと複雑なギターリフは、ミステリアスなのにポップでキャッチー。

続いて不安を煽るように、シンセサイザーのような音が入り、
パーカッションが、覚醒を促すように、リズムを刻み始めます。

10秒もしないうちにイントロ終了。やはり最近の曲、イントロが短い。
しかし、たった数秒で「Habit」の世界観が提示されているのは、スゴイ。
♬最短で最高のイントロなんじゃない?
(歌中の♬不可能の証明の完成なんじゃない?の替え歌で、歌って欲しい)
セカオワの編曲は殆どNakajinだとか。♬才能の証明の編曲なんじゃない?

ギター、ピアノ以外の音は、「ピエロのお面」のDJ LOVEが担当。
前に置かれている機材を駆使して、ドラム・ベース等々、様々な音を操っています。デジタル機材に精通している彼は、PCでいろんな音を作ったり、加工したりと、セカオワ独特のサウンド作りを担う役割だとか。
正体が判明、「ピエロのお面」の呪縛解除です。

♬君たちったら何でもかんでも 分類、区別、ジャンル分けしたがる♬
ボーカルのFukaseクンが少年のような声で、諭すように歌い始めます。
思わず名前に「クン」付けしてしまう、「少年力」を持つ36歳。
強い個性を持つ、永遠の少年のような彼が、どの様に年を重ね、変化するのか気になるところです。

歌と同時に始まるハンドクラップ(手拍子)音。
気づかない人もいるかも、ぐらい音量控えめ。
ちょっと不揃いで無表情で、アゲアゲ感もほぼほぼ無し。
これが、ダルくて、かったるいような、何とも不思議なグルーヴ感を演出。
NakajinとDJ LOVE、いい仕事しています。

そして、紅一点のSaoriは、誰かと似ている・・・そう、ハラミちゃん
金髪と、上半身を大きく揺らしてピアノを弾く姿は、同一人物と見間違う。
ハラミちゃん、もといSaoriは、一児の母で、小説を書けば直木賞候補作家。
セカオワメンバー+αのプロフィールが羨ましすぎです。
妬まれないよう、金髪のポップさでインテリ度を抑えているのか?と、いらぬ推測もまた楽しい。

待ってました!
サビの ♬俺たちだって動物~♬からお揃いの服を着たダンサーズが加わります。👏パチパチパチパチ~👏
ボリウッドダンス、バリダンス、スリラー、インベーダーゲーム、お笑い系、動物の動き等々、様々なダンスをミックスした「魑魅魍魎」なダンス。
おおよそ全ての年代に、馴染みのある動きが入っているダンスは、老若男女問わず、目が釘付けに。
ちょっと前に子どもたちに流行った、「ようかい体操第一」にも似ているような気がする・・・と思いつつ、Saori、DJ LOVEと一緒に、アゲアゲに変化したハンドクラップに加わり、盛り上げます。(もちろん、頭の中で)

最後まで、ダンスと音楽を満喫。
あ〜面白かった!

🤡  🤡  🤡

「Habit」は、映画「ホリック xxxHOLiC」の主題歌。蜷川実花監督の「今を生きる若者たちへの優しさを込めてほしい」というリクエストに、セカオワメンバーが応えたものとか。

タイトルの「Habit」とは「習慣・癖」の意味。

Habit
SEHAI NO OWARI 作詞Fukase/作曲Nakajin

君たちったら何でもかんでも
分類、区別、ジャンル分けしたがる
ヒトはなぜか分類したがる習性があるとかないとか
この世の中2種類の人間がいるとか言う君たちが標的
持ってるヤツとモテないやつとか
ちゃんとやるヤツとヤッてないヤツとか

隠キャ陽キャ?
君らは分類しないとどうにも落ち着かない
気付かない本能の外側を
覗いていかない? 気分が乗らない?

つまり それは そんな シンプルじゃない
もっと 曖昧で 繊細で 不明瞭なナニカ

例えば持ってるのに出せないヤツ
やってるのにイケないヤツ
持ってるのに悟ったふりして
スカしてるうちに不安になっちゃったりするヤツ

所詮アンタはギフテッド
アタシは普通の主婦ですと
それは良いでしょう? 素晴らしいんでしょう?
不可能の証明の完成なんじゃない?

夢を持てなんて言ってない
そんな無責任になりはしない
ただその習性に喰われないで
そんなHabit捨てる度 見えてくる君の価値

俺たちだって動物
こーゆーのって好物
ここまで言われたらどう?
普通 腹の底からこうふつふつと

俺たちだって動物
故に持ち得るOriginalな習性
自分で自分を分類するなよ
壊して見せろよ そのBad Habit

大人の俺が言っちゃいけない事言っちゃうけど
説教するってぶっちゃけ快楽
酒の肴にすりゃもう傑作
でもって君も進むキッカケになりゃ

そりゃそれでWin-Winじゃん?
こりゃこれで残念じゃん
そもそもそれって君次第だし
その後なんか俺興味ないわけ

この先君はどうしたい?
ってヒトに問われる事自体
終わりじゃないと信じたいけど
そーじゃなきゃかなり非常事態

君たちがその分類された
普通の箱で燻ってるからさ
俺は人生イージーモード
ずっとそこで眠っててアラサー

俺はそもそもスペックが低い
だから足掻いて踠いて醜く吠えた
俺のあの頃を分類したら
誰の目から見ても明らか

すぐ世の中、金だとか、愛だとか、運だとか、縁だとか
なぜ2文字で片付けちゃうの

俺たちはもっと曖昧で
複雑で不明瞭なナニカ
悟ったふりして驕るなよ
君に君を分類する能力なんてない

俺たちだって動物
こーゆーのって好物
ここまで言われたらどう?
普通 腹の底からこうふつふつと

俺たちだって動物
故に持ち得るOriginalな習性
自分で自分を分類するなよ
壊して見せろよ そのBad Habit

俺たちだって動物
こーゆーのって好物
ここまで言われたらどう?
普通 腹の底からこうふつふつと

俺たちだって動物
故に持ち得るOriginalな習性
自分で自分を分類するなよ
壊して見せろよ そのBad Habit

引用:LYRICAL NONSENSE【歌詞リリ】

若い時分、強烈な個性を持て余したであろう、Fukaseクンの若者への言葉。
今を生きる若者の心に、グッとささるのでしょう。

「Habit」の歌詞を、改めて読んでみると、「みんなちがって みんないい」(by金子みすゞ)が思い出されるのでした。

🤡  🤡  🤡

若者の歌とベテランの歌、ロックとフォーク、クラシックとポップミュージック・・・。
音楽も、生き方同様、分類・区別・ジャンル分け、に囚われず、楽しみたいものです。

私も「聴かない・わからない」に分類していた、若者の音楽を聴くことで、新たな発見と楽しみが。
私は洋楽世代。J-POPランキングが楽しみなんて、人生初。
自分自身オドロキです。

新しい音楽との出会いは、年を重ねる度に無くしてしまった、感覚、感情、記憶・・・様々なものが蘇り、忘れていた自分と再会できて、気分も上々。

あなたが思っている以上に、あなたに変化をもたらす「音楽のチカラ」。
様々な音楽、ぜひ、お試しあれ。

🤡  🤡  🤡

最後までお付き合いいただきありがとうございました。
またお会いしましょう。やんそんさんでした。


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