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1月24日(金) 『籠の中の乙女 4Kリマスター版』と価値観の相違

 仕事を終え、ル・シネマ渋谷宮下へ『籠の中の乙女 4Kリマスター版』を観に行く。18:40上映回。劇場に着いてから上映後に児玉美月さんと谷田部吉彦さんのトークショーがあることを知る。ツイてる。上映を待つ間に友人MからLine。紹介したい人がいるので来て欲しい、渋谷で飲んでるとのこと。こちらも渋谷にいるので映画を観終わったら行くと伝える。映画が終わると20:30。ここからトークショーを聞いたら21:00を過ぎる。流石に遅いかと、後ろ髪を引かれながらトークショーが始まる前に会場を後にする。

 道玄坂の台湾料理屋へ。店内の階段に入店を待つ列ができている。人混みを掻き分けて2Fへ。Mが円卓に6名で座っている。M以外は初対面。Mの隣に座る。自分の向かい側にいる男性二人が最初から全くこちらのことを見もしない。自分のビールが届き、みんなで乾杯する流れになっても乾杯もしないのでさすがに失礼だろと思い、Mに「全然歓迎されてないんだけど」と愚痴ると、「あちらは相席の人」とのこと。早く言ってくれ。恥ずかしすぎる。Mが紹介したいというのは会社経営の女性で、バツイチで二十歳になる娘がいるという。酒に酔ってるせいかグイグイ自分の意見をぶつけてくるのだが、なんだか昭和的な価値観の人で違和感が凄い。Mよ、どうして紹介したいと思った?という気持ちに。極め付けはMが中居正広の名前を出した際(それはそれで特に必要性が無いタイミングで不用意だったが)、その女性が中居擁護発言。彼はちょっとハメはずしちゃったけど、芸能界に素晴らしい功績を残した凄い人だとかどうのこうの。反論はせずスルーしたけど心底げんなりする。こんなことならトークショーを聞いてから来るべきだった。というか来なくてもよかった。初対面の男性がみんなでもう一軒行こうと強目に誘ってきたが強い意志で一人帰宅。

 『籠の中の乙女』はヨルゴス・ランティモス監督、2009年の作品。外の世界を壁で遮断し、情報統制することで成立する偽りの家族の絆。純粋無垢のまま育った子供たちから垣間見える狂気と暴力性に恐怖を覚える(父親のビデオテープ周りの唐突な暴力も怖かったが、過剰過ぎてちょっと笑った)。ラストシーンは画面をじっと凝視した。余韻が凄い。陽気で不気味な映画。映画が外の世界を喚起させるきっかけになるのが良い。『哀れなるものたち』や『憐れみの三章』などの最近の作品にも繋がる映画であった。ラストも含め色んな解釈ができる作品、改めてトークショー聞けばよかったと後悔。

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