最近観た劇場公開・配信映画(2021年8月)
こんばんは。2021年8月に劇場公開または配信された映画を観た感想です。オススメもそうでもないものも含みます。
尚、毎週木曜更新のnote小説ですが今週も更新延期します!次話から最終パートのため時間を要してます…
フリーガイ(劇場公開)
ゲームのモブキャラとして同じ生活を繰り返す男(ライアン・レイノルズ)があるきっかけから自我に目覚めて、自分の意思で行動し始める物語。
予告編を観て期待していた「もしゲームでこんな事あったら」を、ゲームあるあるやエンタメ小ネタを大量に詰めこんで、映像と台詞でしっかり楽しませてくれる。
ただ、この映画が素晴らしいのは、そんな超エンターテイメント作品でありながら、「誰もが自分らしく生きることの素晴らしさ」という、言葉にすると陳腐になりそうなメッセージが、物語を通じて嫌味なく自然に伝わってくる作品となってるということ。我々ほとんどの人間は一部のヒーローの背後にいるモブキャラかもしれないが、全員自分の人生の主役なのだ。
途中、ある脇役的なキャラが自分の意思で小さな選択をするシーンがさりげなく描かれてているのだが、思わず泣いてしまった。
観終わった後の清々しい余韻。期待を大幅に上回る映画、個人的には2021年を代表する名作!!!!
タイカ・ワイティティのサイコ味溢れるIT会社社長役がハマっていた。
主題歌として使われるマライア・キャリーの1995年のヒット曲『Fantasy』も超陽気なムードが映画と会っているだけでなく、歌詞も示唆的で良い使われ方だった。タイミング的にも今聴くと丁度良い感じ。
イン・ザ・ハイツ(劇場公開)
リン=マニュエル・ミランダによるブロードウェイミュージカルを映画化。NYの片隅のワシントン・ハイツに住むラテン系移民の若者達が夢の実現を目指す物語。
彼らのオリジンであるラテンミュージックとニューヨークを代表するヒップホップを融合した音楽がとにかく素晴らしい。個人的にミュージカルの歌唱パートは話が停滞する印象だけど、ラップだと情報量が多くスムースに展開し、テンポが良くて観易かった。特に冒頭の登場人物紹介パートだったり、憤り、怒りの感情を伝える部分にラップがハマっていた。恋愛や悲しみは歌い上げるという使い分けがメリハリ効いている。
この映画は移民の置かれた苦しい現状を伝えつつ、夢を実現しようとする若者という普遍的なテーマがあり、エンパワメントされる。
ジャングルクルーズ(劇場公開)
ご存知ディズニーランドの人気アトラクションの実写化。エミリー・ブラント観たさで鑑賞。
1916年、植物学者リリーが万病を癒す奇跡の花を探すため、アマゾン川を知り尽くしたクルーズツアーの船長と共に旅に出る物語。
エミリーとドウェイン・ジョンソンのコメディタッチのテンポの良いやり取りが満載で楽しく。
後半の物語設定には多少振り落とされそうだったが、ドウェイン・ジョンソンの有無を言わせぬ画力と説得力にねじ伏せられた感。
また、女性の学者が認められない当時の時代背景で主人公のリリー博士が活躍するのは痛快だった一方、LBGTQ要素の取り入れ方はあまり物語との繋がりもなく、目配せ的に入れた印象。公開前から、ストレートの役者が演じることでバッシングを浴びたみたいだけど、そうまでしてこの設定を入れた意味は見えなかった。
はっきり言って「みんな是非観てください!」とは全く思わないけど、何も考えずに娯楽作品として観るにはいいかと。
オールド(劇場公開)
M・ナイト・シャマラン監督の新作。急速に時間が流れ年老いていく島を訪れた一家のサバイバルホラー映画。
設定のツッコミ所を力技で突っ走るシャマランらしさ全開だが、物語は伏線回収されて気持ち良い。登場人物を襲う加齢という恐怖が、速度は違えど観てる側もいつかは避けられない根源的な恐怖であるため不安を掻き立てられる。グロ描写みたいなのはそこまで強烈ではないので(終盤少しあるけど)ホラー耐性無くても観れる内容ではないかと。
上映中、出演している女優達がどこかで観たことある気がして、帰って調べて観たら好きな作品が多かった。ナイスキャスティング。『ストーリー・オブ・マイライフ』のベス役(エリザ・スカンレン)だけはわかった。あとは『ファーザー』にちょっと出てたルーファス・スウェルも。
太陽と踊らせて(劇場公開)
イビサにあるビーチレストランで四半世紀に渡りDJを続けるジョン・サ・トンリサのドキュメンタリー。イビザといってもいわゆる大型クラブのアゲアゲのパーティとは違って、海辺で休む人達の空間を演出する。チルアウト系のハウスを軸にオールジャンルでミックスする「バレアリック」のスタイル。彼を目当てに毎年イビサを訪れる観光客のインタビューなども収録されている。
自分も趣味で10年以上DJをやっているけど、「音楽で人の幸せを演出する」というDJという職業の根本的な魅力を改めて再認識させてくれた。主役としてのDJではなく、空間を演出する一部としてのDJの立ち位置。
映画中で流れる心地良い音楽に加えて、とにかく美しいビーチと自由に生きる人々を観ていると、当然のようにイビサへ行きたくて仕方がなくなる(まだイビザへ行ったことがないのでいつかは行きたい)。
そしえ、映画の中でも働き方の話が出てくるが、毎日せかせか働くのではなくて、「こういう生き方もあるよな、、、俺だって、、、」と誘惑に駆られる。尚、ジョンがイビザでDJをやるまでの経緯が運命を感じさせる話でこれまた驚く。
ジョン・サ・トンリサのMixはsoundcloudにたくさん上がっていてリモートワークのBGMに最高。映画の感想とsoundcloudのことをツイートしたら本作の監督であるリリー・リナエさんがリプライしてくれた↓(かなりフランクw)。台湾の両親を持ち日本で育った彼女、今作が初監督作品。まだ若い方なので、今後の活躍が楽しみ。
番外編:モダンラブ・シーズン2(Amazonオリジナル)
ニューヨークタイムズに掲載されている人気コラムへ投稿された実話をベースにした話を『シングストリート』のジョン・カーニーが監督総指揮をとるオムニバス恋愛ドラマ。シーズン1に続く、シーズン2(全八話)が今月より公開。
前作に続き、各話、現代の多様な愛の形が描かれるので観ていて飽きることがない。これまで映画やドラマでも体験したことがないタイプの感情を味合わせてくれる。
どの回も面白かったが、個人的には夜型生活の女性と昼間規則正しく生活する男性の恋愛を描くエピソード2『夜の少女と昼の少年』、一夜を過ごした青年2人が道端でばったり出会って、出会った頃のことを思い出すエピソード7『僕のこと覚えてる?』辺りが特に印象に残っているが、最も楽しんだのはエピソード3『(ダブリンの)見知らぬ乗客』だ。
エピソード3は『ゲーム・オブ・スローンズ』のメインキャラクター、ジョン・スノウを演じたキット・ハリントンが出演しているので観る前から注目していた。
あらすじは、ダブリンへ向かう電車で偶然乗り合わせた若い男女、意気投合した後に数週間後にダブリンの駅で再開することを約束する。
この話を聞いて連想せざるを得ないのは『ビフォア・サンライズ』。私のnoteの恋愛映画紹介のVol.1で記事を書いた。映画の中でもはっきりと『ビフォア・サンライズ』への言及がある。『ビフォア〜』シリーズが好きな人には是非観ることをオススメしたい。
『ビフォア〜』に限らず、いろんな引用が盛り込まれて笑える部分も多いし、終わり方も含めて楽しかった。ヒロインのルーシー・ボーイントンのちょっと拗れた感じの性格とファッションも可愛い。
最近、観たい映画・配信が多くて嬉しい悲鳴を上げている。『ジャングル・クルーズ』とか観てる場合じゃなかった、いやでもそれなりに楽しんだけど笑 小説書く時間。。。